簡潔に言い切ってしまえばそれは今となっては、「邪悪なる者達が国民主権・基本的人権を根拠とする今の日本の世風をヘイトする意図を持って使用する言葉」です。
多くの場合でその語の積極的な使用者は日本会議系あるいは復古主義的右翼思想家と言われ、彼らは戦前の帝国憲法下の体制を良しとし、その体制下で利権を貪り、もしくはその血を引く者達です。
彼らは、戦後の占領軍がそれまでの日本を破壊し、自分たちの利権を損なう新制度を押し付けたと考えてます。
ちなみに彼らの言い分は「日本にそぐわない左翼的西洋主義を国際法に違反して押し付けられた」というものですが、そういうことじゃなくて、彼らの利権を占領軍が侵したのです。彼らとは古くは政治関係者、神道・宗教・教育関係者、軍(武士)関係者、財閥関係、豪農、貴族、それらの一部、思想的にそれらの血筋の者達です。
現在最も強いヘイト勢力は日本会議系の一部宗教勢力(特に神道系)で、自民党の中の復古勢力や一部の思想的に先鋭的なネトウヨ勢力にもそういう傾向があります。
彼らにとっては「戦後民主主義」は駄目で憎むべきものであり、一方で彼らに対抗する者達にとってはそれは駄目でないもの、歓迎するものとなります。立場によって見方が反転するわけですね。
戦前の帝国憲法下にも一種の民主主義と呼ばれる仕組みがありましたが、それは現日本の民主主義とは大幅に異なるものであり、主権は国民ではなく天皇に有り、加えて国民の基本的人権を認めていませんでした。
本来は到底「民主主義」とは呼べないもので、言葉としては「大正デモクラシー」と呼ばれる疑似民主主義がありましたが、当時の大正天皇が胎児~幼少期に被った毒害により廃人同様の障害者となり、そのため「神であるはずの天皇が人前に出られぬほどの肉体的・精神的な病弱者」であるとする国民意識から自然に芽生えた平民思想でした。
大正天皇の死とともに日本は利権者権力者による圧制が強まり、そして第2次世界大戦に突入していきます。
以上、我々が普通に民主主義と考えているものは戦前には存在せず、戦後にしかありません。
しかし戦前の日本を良いものと考える思想勢力にとっては戦前こそが正しい「日本に適した」民主主義であり、戦後の民主主義は占領軍に押し付けられた駄目で憎むべき「戦後民主主義」なのだ、という主張を「戦後民主主義」という言葉に込めてるのです。ヘイト言葉です。
彼らが使う似たような言葉に「戦後保守」という変な言葉があります。
戦後民主主義によりかかった保守はだめな保守だとしてそれを「戦後保守」だと主張しているわけですね。
本来の「保守」は戦前の日本の体制を良しとする「真正保守」であるという変な自意識が彼ら復古派にはあるようです。
お礼
有難うございました。