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強姦罪の非親告罪化と強姦殺人について
- 強姦罪の厳罰化の刑法改正案が答申され、非親告罪化が盛り込まれるそうです。
- 非親告罪化は被害者のプライバシーを侵害する恐れがあるが、被害者の意に反する事件化によって侵害されたプライバシー権についてはどのように保護するのか心配です。
- また、強姦罪の非親告罪化は女性の性的自由や自由恋愛に対して男性の再解釈を招き、他者の意見が介在することになるのではないかと心配です。
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非親告罪化は被害者のプライバシーを侵害する恐れがないでしょうか? ↑ 勿論あります。 ただ、刑法は公法です。 刑法は被害者の保護が目的ではなく、社会秩序 を守ることが目的の法です。 被害者のプライバシーよりも、秩序保護を 優先することにしたのでしょ。 輪姦や強姦致傷は、非親告罪です。 プライバシーを侵害する点では、通常の強姦罪より 強いと思われるにかかわらずです。 また、強姦は暴行脅迫を手段としますので、 暴行、脅迫で起訴することは可能です。 事実、そうした前例があります。 これなどは、プライバシーよりも秩序を 優先した、ということです。 被害者の意に反する事件化によって侵害されたプライバシー権に ついてはどのように保護するのでしょう?刑事補償とか? ↑ 病院で尋問するとか、法廷を一時的に関係者だけにするとか、をやっています。 また、刑事補償の対象にはなりません。 犯罪被害者救助法の対象にはなるでしょうが。 当事者以外の他者の意見があれこれ強制力を持って介在する事にならないだろうか? ↑ その可能性はあります。 ただ、その危険性は現状の強姦致傷や輪姦も同様です。 これらは非親告罪です。 例えば、子の結婚に親が反対していた場合、民法での結婚という身分行為は「両者の合意」で成立するはずですが、親が破局させるために婚約相手を強姦罪等で無理矢理告発したりするケースです、極端な例ですが無いとも言い切れません。 または、痴漢冤罪の様に金目当ての冤罪事件が多発する事にならないか、美人局などに照らし合わせて、恐喝役の男にも告発権を与えかねません。 また、ある種の政変を目的として特定人物を失脚させる為のハニートラップ等に政治利用される可能性も出てきます。 ↑ これらについては、虚偽告訴罪などになります。 やはり被害者死後の強姦については不可能なのでしょうか? ↑ 可能です。 犯人の自白、性器の調査、着衣の乱れなどの状況証拠などから 可能です。 強姦罪の保護法益は女性の性的自由でありますが ↑ 性的自由を守ることにより、社会の秩序を守ろう とするのが法の趣旨です。 尚、検討されている改正法では、男も保護の対象 になるそうです。
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- rokutaro36
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法律は、専門外で、素人であることを、最初にお断りしておきます。 性犯罪を非親告罪化しても、現実には、 本人が親告しなければ、犯罪は明るみに出ないと 考えてよいでしょう。 今でも、複数の加害者による性犯罪は、 非親告罪ですから、今回、問題にしているのは、1対1の場合です。 となれば、誰が犯罪を認知して、警察に届けるか、 ということです。 現在、被害者が届け出る現状は、性犯罪全体の約15%以下に すぎないといわれています。 法律が変わったからと言って、残りの85%以上の被害者が 態度を翻して、警察に届け出るとはとても思えません。 となると、別件で逮捕された加害者が何らかの証拠(写真、動画など)を 所持していたとか、目撃者がいて、目撃者が届け出た。 というようあ狭い範囲のことしか考えられません。 となると、法律化による抑止力期待というのが現実的だと思います。 別の話ですが、少し前に、AV女優が性行為を強要されたという話題が 出ていて、AV業界の改革を訴えいていたと思います。 これなどは、本人が親告していなくても、捜査対象となる例でしょう。 次に、プライバシーの問題ですが、親告だろうと、非親告だろうと、 被害者のプライバシーは、最大限、尊重されるべきであり、 現在の親告者と同程度の保護が確保されなければならないと思います。 したがって、非親告だから、プライバシーが危うくなるという 論理には、ならないと思います。 ただし、現在の警察組織そのものに、問題がないわけではない。 先の隠しカメラ事件を見ても、個人のプライバシーの問題について、 あまりに鈍感であることには、間違いないしょう。 そもそも、犯罪捜査とは、個人のプライバシーを暴くような仕事だから 鈍感になるのも、ある意味、当然のことだと思います。 当然だからこそ、一般的な企業よりも、より厳しい教育指導が 必要だと思いますが、どうやら、本人たちは、 鈍感だと思っていないらしく、そもそも、そこが問題でしょう。 どんなに素晴らしい法律や制度を作っても、 それを執行する人がアホだったら、どうしようもない。
お礼
ご回答ありがとうございます。 確かにAV業界や風俗業界には大きな影響を及ぼす法改正になるでしょう。 問題に上がり騒がれるのは氷山の一角で、ああいう世界では性行為の強要は日常茶飯事だと思われますので。 プライバシーの件についてですが、女性側が明るみにしたくない事もあるでしょう、例えば強姦が事件化する事によって不倫がバレて後々離婚等の民事的な損害を被る可能性が出てくる場合等です。 そういう場合、警察側のプライバシーの取り扱いについてですが、親告罪でなければ第三者にこれらの証拠を揃えられて、本人の意思に関係なく加害者を強姦で起訴した場合、警察は本人の供述を得ようと被害者の家に足を運ぶなり、または警察署に事情聴取の協力に来てくださいという流れになりますが、こういうものに付き合うとなれば仕事など休んで長い時間付き合わないと行けない訳ですし、身近な家族(例えば夫)から何だと聞かれて説明に困るのは目に見えています。 例えば、電話で簡単に済ませるとしても「誰から電話?」って話になるわけでしょうし、仮にその女性が最終的に事件にしなかったとしても、あの一連の騒ぎは何だった?ってことになりかね、信用問題に発展する可能性もあります。 刑事が被害者をこっそり待ち伏せして、茶店等で話しても、結局、居なければおかしい時間に家を空ける事になり同じ事です。 あれから自分なりに六法で調べたのですが、うるま市の様な強姦殺人事件のケースに於いて、被害者が死亡していた場合の強姦罪の取り扱いは告訴権が親族に移転するそうです。 --------------------------------------------------------------------------------------------------- 刑事訴訟法 第230条 犯罪により害を被つた者は告訴をすることができる。 第231条 (1)被害者の法定代理人は、独立して告訴をすることができる。 (2)被害者が死亡したときは、その配偶者、直系の親族又は兄弟姉妹は、告訴をすることができる。但し、被害者の明示した意思に反することはできない。 ・・・(中 略)・・・ 第234条 親告罪について告訴をすることができる者がない場合には、検察官は、利害関係人の申立により告訴をすることができる者を指定することができる。 --------------------------------------------------------------------------------------------------- つまり、1対1の性犯罪でもその全体の15%しか立件出来ないのはあたかも親告罪という不備によるものの様に捉えられ勝ちですが、どのような場合でも被害者に起訴する意思さえあれば現行法で多様に対処出来るのです。 改正案では最終的に被害者が起訴する意思がなければしないように配慮するとの事でしたが、だったら尚更今のままで言い訳ですし、被害者以外の関係者や第三者があれこれ口を挟む余地を設ける必要は無いと個人的に思うわけです。 でも確かに、回答者さんがおっしゃる様に、AV業界(風俗も含め)での性行為の強要などには刑法が万能に対処出来る仕組みが欲しいものです。 日常的に性行為が複数回立て続けて行われている様な現場では、本人の意思に反するような性行為の強要や強姦ともとれる行為が頻繁にある事でしょう。そういう場所で被害者は指揮権を持った経営者の下で業務に従事する訳ですから、そういう事件が一つ二つあったとしても、ある種の諦念で仕事と割り切ってしまい、泣き寝入りを強いられている従事者は少なからず居る事でしょう。 なので、非親告罪化はAVや風俗など、被害者が日常的に性行為をする必要に迫られる場合に限定するべきであり、個人的な恋愛はやはり被害者の意思を一番尊重する意味に於いて対象外とするのが私の意見なのですが、どうでしょうか?
補足
私からのお礼の文に一部訂正があります。 >なので、非親告罪化はAVや風俗など、被害者が日常的に性行為をする必要に迫られる場合に限定するべきであり、 という部分ですが、これに付け加え新聞記事で取り上げられていたような、法定代理人が加害者の場合も含めましょう。 つまり、未成年の被害者であると親が加害者になる場合等です。
- overthelight
- ベストアンサー率22% (40/175)
結局のところ、親告罪にするよりも非親告罪として扱う方が日本の法的秩序を保てると政府として判断したということでしょう。市民のプライバシーのあり方についても検討はしていると思いますよ。
補足
>親告罪にするよりも非親告罪として扱う方が日本の法的秩序を保てると政府として判断・・・ その根拠は如何なるものでしょうか?
お礼
大変参考になるご回答をどうも有難うございました。 ●被害者のプライバシーについて 輪姦や強姦致傷は、複数当事者が存在したり、被害者の身体に外傷があったりと、犯罪である事が明らかであるような外観を装っている為、被害者のプライバシーや訴えの意思よりも、社会秩序を優先させる必要性があるのは充分に理解できます。 ただ、1対1の性行為についてはどうでしょうか? それが強姦であったかどうかを定めるには、やはり当事者の言い分をよく吟味する必要があり、常時、男女仲睦まじくあればそれで良いが、人間ですから時には喧嘩もあって気持ちのすれ違いも起こるでしょうから、いくら社会秩序を重視すると言っても、本来、個人的な行為であるそれをその場限りの一時の感情で刑事事件にするのは正当化されず、行為後の当事者間のやり取り経緯や、被害者の都合や状況の変化もあるでしょうから、全てを総合的に判断する意味に於いて被害者自身に起訴の絶対的な裁量を与え、最もそのプライバシーに配慮するという親告罪が現行で敷かれているのだと私は理解しています。 ●自由恋愛に当事者以外の他者の意見があれこれ強制力をもって介在する件について 先程も述べましたが、輪姦や強姦致傷は、それが犯罪である最もらしい外観を装っている為、被害者のプライバシーよりも社会秩序の保護を優先させるため迅速な事件解決に向けて、目撃者や関係者の意見を積極的に取り入れる必要があるのは分かります。 しかし1対1の性行為は殆どが密室で合意の上で行われる訳であり、他者が目撃出来たりあれこれ意見を挟む余地が無い性質であるのが通常だと思うのです。 なので、そこへ関係者や第三者の意見を挟める様にすると、当事者しか知りえない個人的な行為の内容が事実を歪曲されて事件化されてしまう危険性があり慎重になるべきかなと思うわけです。 ●非親告罪化が冤罪を招く可能性について 勿論、虚偽告訴罪で対処出来るのが法律上の一般的な解釈ですが、痴漢冤罪のケースを取り上げても、その殆どに於いて加害者の抗弁というのは無視されるのが実情であり、また冤罪である事を立証するのに、つり革に両手をかけていないと難しかったりと、条件が複雑で事後的にどうにも出来ないものばかりです。 ついうっかりつり革に手をかけ忘れた事に揚げ足をとられて濡れ衣を着せられる、訴えたもん勝ちのそれが冤罪事件であると認識しています。 つまり、虚偽告訴の根拠となる冤罪そのものを勝ち取れる可能性が極めて低い訳です。 そういう、社会的状況に於いて新たな冤罪を招きかねない強姦罪の非親告罪化は如何なものだろうかと、思うわけです。 ●強姦罪の保護法益は「女性の性的自由」について 女性の性的自由とは女性の自由そのものであると思います、性行為が強姦であるかの是非に絶対的な裁量を持つのもその女性有利の象徴でしょう。 これより社会秩序を優先させるとなると、弱者保護の観点から見て不当だと思う訳です。 非親告罪になると、被害女性から事件にするかしないか選択する機会とその絶対的な裁量権を奪う事になります。 事実、加害者も被害女性の温情によって刑事責任を問われずに助かっている者は多数いることでしょう。 非親告罪化は単に事件の事実を歪曲させる外圧を加えるだけの要因になり兼ねないと思います。 ○非親告罪化の要は何か 例えば、別件で逮捕された男が家宅捜索を受け、そこから変態的な趣味で性行為を動画に残したものが出てきた場合に、それを証拠として警察が機動的に強姦を立件するため、まず告発を出来るようにするというもの。 又は、AVや風俗等で行為の強制や強姦があった場合にも同様に立ち回れる様にする計らいであると。 しかし、AV等と違って一般的な性行為を記録に残した動画等はやはり、撮された被害者のプライバシーを配慮する必要があり、本人の意に反してそれが事件として明るみに出ることで本人の生活に何らかの支障をきたす恐れもあります。 つまり、親告罪とは、事件でもそれを事件にするのかどうかまず被害者本人にお伺いを立てる事を社会や権力に直接義務付けている制度であると認識できます。 事件関係者や警察が常に被害女性への配慮を怠らずにいれば良いのですが、一度こういう簡略化がなされると、本人の心情無視で出し抜けに告発をする者が出てくるのではないか。 私はそれを懸念しているのです。 ○解決案 やはり非親告罪化をAVや風俗といった特殊性のある現場、または当事者の身分関係等考慮して被害者の窮迫や軽率、無知、無経験等に乗じて行われた悪質な場合に限定して施行するべきではないかと思う訳です。 取りも直さずこれは、被害者救済に法の強制力という手助けが必ず必要な場合に限定するという意味です。
補足
追記: つい最近、強姦致傷で逮捕された高畑裕太は示談が成立し釈放されました。強姦致傷は非親告罪でありながら、この様な結果になるのです。 検察統計での強姦致傷の起訴件数は裁判に一般人が参加する裁判員制度が開始された2009年から格段に下降傾向にあるとあります。この原因として、検察官が事実認定の微妙な殺人等の重大事件を軽い罪名に落として裁判員裁判を回避しているのと、被害者が被害現場の近くの一般人の衆目に裁判記録が晒される事への嫌いがあるという二点が挙げられています。 結局、裁判員制度の存在によって罪を免れる加害者が増えている点を鑑みると、裁判員制度は性犯罪について被害者の羞恥心に影響し、不起訴による示談へと妥協する動機付けになっているという有様であると。 結局、裁判員制度が逆効果となって性犯罪者を刑罰から逃れさせている意味でもって量刑を緩和する働きをしていると評価できます。 つまり、強姦罪を強姦致傷と同じく非親告罪化しても、犯罪抑止効果は殆ど期待できず、これより裁判員制度を見直した方がその効果は格段に上がると個人的に思うわけであります。