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流行りの業界にあえて参入しない企業の戦略
知り合いの会社の話です。 その会社は中小企業なのですが、特定の分野の大学、企業向けに特化した製品(計測機器など)を開発・販売しています。そしてそれなりの利益を出して会社が長く続いているそうです。 ある日私が、「最近ウェアブル端末が流行っているので計測機器技術を生かしてその業界に参入しないのか?」と尋ねたところ。 「参入はしない、そういった業界は大きな企業が参入して価格競争に巻き込まれるし、大きな企業の生産能力に対抗できない」と言っていました。 私は今までその時代に取り残されないように新しい業界にどんどん参入するのが企業の戦略の定石だと思っていました。しかし、会社の規模を考えたり価格競争に巻き込まれないようにするために参入しないのも生き残るための1つの戦略だと思い感心しました。 このように新しい業界にあえて参入せず、特定の業界のみに特化させ続ける戦略は中小企業では普通なのでしょうか?そういった戦略が一般的なら何か戦略名などはありますか? ご存知の方がいらっしゃいましたら、よろしくお願いします。
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- jack-a3
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マーケティングや経営などの分野ではそのような経営戦略はニッチ戦略、ロングテール戦略、残存者利益、なんて単語で語られてます。(それぞれ微妙に意味は違いますが) 例えばヤカン。ホームセンターに行けば2千円くらいでゴロゴロ売ってます。これくらいでも利益が出るように、海外で製造するなどで調達や流通を改革しコストダウンして、って戦略を取ることもあれば、デザインに力を入れたり、あるいは素材や製法を工夫して性能を追及することで少し高い値段でも売れるよう競争力をつける、などの戦略を取ります。こういうのがマス市場向けの戦略。 ですが一方で南部鉄器の鉄瓶。1つが数万円することも珍しくないけど欲しい人は少数ながら存在し、その人たちには売れます。逆に高ければ高いほど売れる、なんてことも起こります。これがニッチ市場。その市場規模に合った経営を行っている分には、これだけで商売になり、食べていけます。何もライバルがひしめき合っている、売れるのかどうかも分からない分野で勝負かける必要はありません。 もちろん、そういうニッチ分野を握っていても、その中で市場変化は起こりえます。それに備えた対応策は考えておく必要はあるかも知れませんが、それがすなわち新業界への参入だとはならないでしょう。
無用な競争を避け、自社の優位を生かして特定の市場を切り開いていく戦略は一般的に「ブルーオーシャン戦略」と言われています。
- hue2011
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普通です。 どんどん新規事業に投資して活躍すべきだ、なんていうのは経営の中に居ない、よそから批評できる人間の言うことです。 どんなアイディアでもリスクが付きまといます。 失敗したリスクばかり考える人が多いですが、うまくいったときのリスクが一番命にかかわります。 たとえば今までにない革命的な製品を開発発表したとします。 それが当たらなければ、単純に開発費がすべてドブに捨てられた、と言う程度の話です。 これも損害ですから、リスクと言えばリスクです。だけど所詮その程度です。 もし当たってそれで何億の純利が発生したとします。地獄がここから始まります。 何億の純利なんか発生したら、税金がその9割程度をむしっていきます。 そんなことはないだろう? あるのです。その年はまだしもお金があるからいい。 ところが、税には「予定納税」という制度があります。来年も同じぐらい儲けるだろうから、来年の分の税金も払えということです。 もちろん来年になって同じくらいの売上があればまだしもですが、それがなかったら、先に払った税金分を取り戻すややこしい手続きが必要で、仮に戻るとしてもその間数か月飲まず食わずになります。 その間、生きていけません。 ヒット商品を出した会社が早晩消えるのはこういう事情があるのです。 儲かっているときは、金の山に住んでいるような錯覚を起こしていますから、パーティをしたり協力会社と飲み食いをしたりしますので、もし傾きかけても社員はぴんとこないから平然とおなじような贅沢を続けます。 そのために会計は通常よりはるかにはやいスピードで枯渇します。 会社が消えるしかなくなるのです。 そういうことをベンチャーというわけです。冒険です。 ときに、冒険物語というのは、生き残って成果を自慢できる人間以外語れません。 死に絶えた人間は何もいいようがない。 だから、ベンチャービジネスがすべて大成功するように、錯覚されるのです。 会社を運営するというのは、社員の生活を守る義務があります。 まさかにも、ある日突然今日から給料はない、などとは言えません。また、うまくいっていないから辞めてくれ、も通常言える神経は持ちません。皆で支え合いながら、今日よりもあす生活が良くなるように、まさかにも生活を失うことがないように考えるのがあたりまえです。 ベンチャーをすると何が起きるかわかりません。 そういうアイディアが下から提案された場合どう説明するのが普通の経営者か。 成功してクビくくる話は絶対しません。理解してもらえないからです。 だから、私が上記でいいました「所詮その程度」の失敗の心配を語るのです。 そこには、すでに大メーカーがたくさんの予算を作って始めていること、なんかが根拠の資料として提示することになります。 失敗したら困るだろう、ということであきらめてもらうわけです。 生半可な冒険なんか始めて最後は皆でクビを吊るなんていうことにはしないようにしたい。 それが通常の、まともな経営判断です。 もちろん、すでにそれを実現する下地があって、市場性に関する調査も行き届いていて、の場合は話は別です。 自分以外は参入できないだろう、自分の会社の社会的信頼度もそこそこあるだろう。それなら乗り出せます。 しかし、すでにその市場が存在していて「流行りの商売」なんていう方向が見えているなら、まず参入はしません。 大量の魚が泳いていることが見えている豪流の川なんぞに舟を浮かべたらたちまち全員おぼれ死ぬからです。
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ご回答ありがとうございます。 >>ヒット商品を出した会社が早晩消えるのはこういう事情があるのです。 よくわかりました。ヒット商品を出してもそこで浮かれないことが大切なんですね。 今までとにかくヒット商品を出せばいいだろうと安易に考えていたので勉強になりました。
- t_ohta
- ベストアンサー率38% (5292/13826)
規模で勝負する大企業にとっては、数の見込めないニッチな市場は自分たちの強みが活かせず旨味が無いので手を出してきません。 逆に規模で勝負できない中小企業は、少量生産だからこそ可能な小回りの利く商品開発で着実に儲けていくというのはよくある話ですし、中小企業が生き残るために重要な考え方です。
お礼
ご回答ありがとうございます。 会社の規模に応じて戦略が変わるのですね。
お礼
ご回答ありがとうございます。