肺炎に罹ったと言う場合、普通に生活をしていた健常者(健康な人)がかかるのが『市中肺炎』、病気やケガで病院に入院している人が、病院内でかかったのが『院内肺炎』という事になります。特に院内肺炎では病気やケガ(特にやけど等)により免疫力が低下している人(コンプロマイズドホストと言います)が多く肺炎にかかり易いこと、また病院内にはとうぜん感染症患者も居ますから病原菌に接触する危険性は普通に生活している人よりも高くなります。これらの要因が重なり院内で肺炎に感染した場合を『院内感染症』と言い病院側でも『院内感染症マニュアル』や『院内感染症委員会』等を組織してこの防止に努力しています。院内肺炎の中でも特に厄介なのが、各種耐性菌であり、その中で最も有名なのがMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)です。これは一般の抗生物質が効かない菌で一昔前の抗生物質乱用で生じた、いわば人間が作り出した無敵の病原菌です。なお、MRSAは一般の人の鼻腔内にも存在しています。