任期は2018年の中ごろまでです。
合理的な理由は十分ありますが、それよりも質問の核心に沿った話を一つ。
日銀総裁をこの時点で政府が辞任に追い込めば、短期的には金融政策の失敗とみなされて円安誘導が期待できるのでしょうが、1週間も経てば次の政策期待で円高は止まらないんじゃないでしょうか。
今日本に期待されているのは、円高と同時に株高になる理由付けで、そのためのインフレ目標です。その点で黒田総裁は役割を果たしてはいるでしょう。
黒田総裁の異次元量的緩和は、まず円安にして、日本の株高の中でも投資に見合うものを市場に探させる、いわばお試しキャンペーンでしたが、インフレの道筋を見つけたという意味では、これから本当にコミットしなければならない成功のごくごく一部とも言えます。
今年はグローバルではアメリカの利上げ失敗が濃厚になり、ヨーロッパ、中国もグローバルで見たリスキーな市場と確認された今、円をキャッシュポジションにしている投資家市場側も、そろそろキャンペーン期間から本番へ移行していく瀬戸際に立たされています。
世界的には円高でも株高になる日本を求められている現状では、黒田総裁としては市場の反応待ちという状況は、2年もかけたこれまでの流れを壊さないために、仕方のない面はあると思います。
もちろん急激な円高円安を安定化させてない、という点では無策という批判も日銀はもう少し受けて考えるべきとも思います。市場が思うよりも高いインフレ目標を掲げたのは、その一因とも言えます。