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過度のストレス
脳について調べていたのですが こんな記事を見つけました。 〈過度のストレスは人間性やモラルを低下させる〉 脳の機能には、ストレスが大きく関わっています。適度なストレスは、脳内にストレスホルモンを分泌させ脳機能を高めます。しかし過剰なストレスは、脳機能を低下させ、最悪の場合は細胞が死んでしまいます。ストレスに弱い脳部位に前頭前野(人間性・モラル)、海馬(記憶)などがあり、過剰なストレスでその機能が低下すると考えられています。 この記事に書いてあるように 脳の機能が低下してしまったら もう回復はできないのでしょうか?? 詳しい方、ご回答宜しくお願い致します
専門家の回答 ( 1 )
- 専門家吉田 修(@osamucom0409) 産業カウンセラー
こんにちは。 読ませていただきました。 >しかし過剰なストレスは、脳機能を低下させ、最悪の場合は細胞が死んでしまいます。 問題はここですね。 古典的ストレス学説によるストレスの害についての説明と受け取りましたが、これはハンス・セリエというストレス学者が提案した学説です。 この学説について批判や反証は近年になって多数提出されるようになり、「古典的」といわれるようになってきています。 セリエはストレス実験をおもにネズミを使って実験していたのですが、足がこげるほどの電流を流してみたり、無理やり水の中でおぼれさせてどういう反応が起きるかを調べていました。 これは、私たち人間の日常ではありえない大量かつ強烈なストレスを一度に与えるというかなり極端な例で、状況として不自然であるわけです。 また、私たちは、ストレスについての受け取り方がネズミと相当異なっており、ストレスの生じる理由についても理解できるわけですし、ストレスが生じている状況を理解し、解釈の枠組みを変えることによって、ストレスを強化したり、軽減したりすることもできます。 この点について、古典的ストレス学説では考慮していません。 さらに言うと、ストレスに対抗する防御機能は人間の場合かなり高度に発達しており、例えば出産時の高度なストレスが生じると、この前後でオキシトシンホルモンが大量に分泌され、周囲とのつながりを強化したり、母子間の絆を強化したりするように作用します。 脳の機能についてですが、脳細胞の破壊は不可逆的といわれていましたが、近年は死ぬときまで新規の脳細胞は生まれてくるといわれており、古典的な学説が覆されています。 それと、脳はニューロンのネットワークが常に更新されていきますので、今までのニューロンネットワークが破壊されたとしても、破壊されたところを迂回して別のネットワークを構築するようにもなっています。 このため、かなり高齢、例えば85歳になっても記憶力は鍛えることが出来ますし、金さん銀さんという双子のご長寿姉妹は100歳を超えて記憶力が向上したとも言われています。 ちなみに海馬は短期記憶についてであって、長期記憶は大脳全体に広がっていますので、短期記憶を長期記憶には約置き換える工夫をすることで補えられるとも言われています。 さて、脳の機能を低下させずに向上させたり、機能を最適化したりする工夫ですが、食べ物と運動と社会的行動の時間が大切だといわれています。 DHA・EPAは脳の機能を回復させるのに有益ですし、微量のミネラルやビタミンB群はニューロンの働きそのものを活発にさせます。また、必須アミノ酸は十分に摂取してください。 運動は一日30分以上ウォーキングをすると、脳内のデフォルトモードネットワークが働き出して迷走状態になって脳機能を回復するのに有益だといわれています。 人間が進化の過程で大脳が肥大化してきたということはよく知られてますが、私たちは同時にとても社会的な生き物として進化してきたことでもありますので、人と交わるということがとても脳に対して良い影響を与えます。 人の脳は常に誰か他人を前提としており、特に以下の3つの人間関係を維持することがよいといわれています。 1.鏡のような人:自分の話を黙って聞いてくれて、静かにうなずいてくれる人。 2.同士のような人:自分と同じ境遇で同じような考え方をして同じような課題を抱えている者同士。 3.理想の人:自分と同じような境遇考え方課題を克服し、成功している人。 この要素を同時に持っている人はいませんが、自分の精神的な成長に従って出会うことが望ましいといわれています。 このような人間関係をもっている人は、そうでない人よりもストレスに強く、健康で長生きであり、逆にストレスがない人よりもこの傾向は高いといわれています。 古典的ストレス学説など信じない方がストレスに強くなれるという逆説でした。
吉田 修(@osamucom0409) プロフィール
産業カウンセラー(日本産業カウンセラー協会) 吉田修(株式会社Dream・Giver) ■ご質問者・みなさまへ■ コーチング最新メソッドを使い、自分でできる、気持ちの切り替え方法をご提案しま...
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お礼
ありがとうございます。 参考にさせていただきます。