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脂肪の完全酸化時の水産生量の比較
脂肪が生体内で完全に酸化された場合の基質の単位重量あたりの水生産量は、タンパク質や炭水化物が生体内で完全酸化された場合のそれよりも、一般に少ない。 正誤を答えよ。 という問題がありました。 直観的に呼吸商が一番小さい値だったと記憶していたので、 つまりは二酸化炭素と水の産生量が低くなるものが脂肪だからタンパク質、糖質と水の産生量比較をしても呼吸商と同じことが言えると思い、 正としたところ 誤だと模範解答にありました。 どうしてそうなのか、またどのように考えればいいのかご指導お願い申し上げます。
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水の分子は水素原子2個と酸素原子1個から成り立っています。 水素を含んでいる物質が酸化されて水が生じる場合、酸素は外部から供給されますから元の物質に酸素が含まれていなくても水は生じます。 そのため水の生成量は元の物質に含まれている水素の量に比例します。 つまり、その物質に含まれている水素原子の個数を、元の物質の分子量で割った値が大きいほど、その物質が完全に酸化された場合の基質の単位重量あたりの水生産量が多くなる訳です。 脂肪の中には炭素鎖に二重結合が含まれているものもあるため、その分水素原子が少なくなっている事もありますが、それでも水素原子の数が炭素原子よりも少なくなる事はありませんし、脂肪は酸素をわずかに含むものの、その殆どが炭素と水素で出来ておりますので、「水素原子の個数を、元の物質の分子量で割った値」が13分の1を下回る事はありません。 それに対し、炭水化物や蛋白質は酸素や窒素といった「炭素よりも原子量が大きく、原子価も少ない原子」が、脂肪と比べて多く含まれています。 そのため、脂肪と比べ、炭水化物や蛋白質に含まれている水素原子の割合は小さく、しかも原子1個に対する分子量の大きさも大きいのですから、炭水化物や蛋白質の「水素原子の個数を、元の物質の分子量で割った値」は脂肪と比べて小さくなります。 そのため、炭水化物や蛋白質が完全酸化された場合の基質の単位重量あたりの水生産量は、脂肪と比べて少なくなります。
お礼
実例ではなく、分子の構造からどうしてそうなるのかというご説明と、単位重量に対してHの数が多くなるがゆえに脂質が効率がよいという解釈がお陰様で大変よく理解できました。 何を持って比較して?と考えていたところ、実際の例ではなく回答者様のような脂質はアルキル基が豊富で、糖質、炭水化物はNやOに置換されているものが多数であるという物質の普遍的な定義より内容把握ができました。 本当に大変親切かつ丁寧にご指導下さりありがとうございました。今後もご教授の程よろしくお願い申し上げます。