民主主義と憲法96条改正について
制度としての民主制は、構成員による選挙と、選挙により選出された議会、その議会での議論と多数決などによる意思決定が典型的である。(Wikipedia - 民主主義 - 制度としての民主制)
原則多数決。恐らく、これが一般的な日本人が理解する民主主義制度でしょう。わたしもその一人です。其れと同じか、其れ以上に、日本=民主主義国という図式は、多くの日本人が共有している認識だと思われます。
ところが、その日本を形作る基本、もしくは規範の中で、この「原則多数決」が当て嵌まらないものがあります。
日本国憲法。正確には憲法の改正手続について規定「日本国憲法第96条」です。2/3条項とも言われます。
第9章 改正 第96条
この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
衆参両院議員の2/3の賛成という規定が憲法改正を厳格化しているのは間違いない。現実、日本国憲法は施行以後一度も改正されていません。
大日本帝国憲法も一度も改正されなかった事実を顧みると、元々日本人は、ルール変更や決定を覆すことに消極的な国民性なのでしょう。
因みに、アメリカは6回、フランスは27回、イタリアは15回、ドイツは58回、憲法改正が行われています。
前置きが長くなりましたが、今回の質問の趣旨は、憲法改正しろや押し付け憲法無効論ではありません。
「2分の1に変えるべきだ。国民の5割以上が憲法を変えたいと思っても、国会議員の3分の1超で阻止できるのはおかしい」
憲法第96条に対する、安倍総理の発言です。(読売新聞 2013年4月15日)
民主主義を原則多数決とするなら、憲法第96条に関する注目するべき事項は「2/3の賛成」より「1/3超の阻止」ではないでしょうか?
各院議員2/3の賛成という縛りが、まるで重要事項に対する慎重さに映る人もいるでしょうが、実際は1/3超が2/3未満を縛るという、民主主義の理念から逸脱した条文ではないでしょうか?
もし、少数意見を尊重することで維持される民主政が、憲法第96条に内包されているというなら、その仕組みを解説して下さい。
何故、このような回りくどい質問をするのかというと、憲法96条改正に関する質問はこれが二度目だからです。
憲法96条改正(最初の質問)
http://okwave.jp/qa/q7888630.html
憲法改正だけが少数意見尊重なのか?これが理解できなかったので、再度質問を立てました。