★エボラ出血熱について

質問

１，なぜ、効果的な治療法がないのですか？

２，なぜ、感染力が異常に強いのですか？・・・

３，イスラム国などが、悪用する危険性はありますか？・・・

回答No.1

parts · ベストアンサー

１．これまでエボラの研究資金が少なかったこと。また、感染から96時間以内に発症するケースが多く、広まる前に患者が動けなくなっていたため、局所的な地域で感染が終わっていたこと。そして、インフルエンザやSARSなど別の病気の方が、致死性の感染爆発を起こす恐れが高いと思われていたことが理由です。

即ち、怠慢と言えば怠慢ですし、研究がおろそかだったと言えばおろそかですが、現実には誰もリスクと受け止めていなかったことで、研究が後回しだったことが理由です。ちなみに、今回の流行で、研究費は数年とは言わないレベルで投入されていますので、一気に数年以上の研究成果が出始めているとも言えます。

ただ、それが功を奏するかは今の段階では残念ながらまだ分かりません。ただし、諦めるレベルでもありません。現状では、来年1月までに今の感染エリアを維持できれば、多少リスクは下がるでしょう。

尚、資本主義経済社会では、金にならない研究はほとんどが、財団などによる研究支援と国費など税金を使った大学の研究費でまかなわれます。ウィルスの研究も基本的にはそうなり、特にバイオセーフティレベルの高いウィルスは、研究できる設備が限られるため、研究はなかなか進みません。日本に至っては、研究用で稼働している施設そのものがありません。（地域住民の反対でL4設備は運用停止中）

２．このウィルスは多くの人類にとっては未知のウィルスとなります。即ち免疫に登録されていない新しい手法の感染を行います。具体的には、粘膜や傷口から侵入し、血小板（初期の免疫の一種であるマクロファージと好中球）に対して自分はウィルスではないと見せかけます。
その間に、細胞にとりつき、増殖します。

マクロファージや好中球が動かないと、捕食時にウィルスの場所を伝達して、免疫を集める機能が働かないだけでなく、ヘルパーT細胞への命令伝達が行われないため、体は防衛用の武器の製造体制に入れません。即ち、スパイが徐々に増えていくにも関わらず、スパイを見つけられないのです。結果的に、キラー細胞などがそれに気がついてウィルスの捕食や破壊を始めた頃には、ウィルスによって細胞の多くが傷つき取り返しが付かなくなるという状況になるのです。

しかも、出血熱と呼ばれる理由は、このウィルスの特性によって血管の浸透圧が崩れることによるもので、細胞に隙間ができ血液や体液が外に漏れます。汗で感染すると言いますけど、厳密には皮膚表面からの少量の体液の滲出時にウィルスも漏れ出すようになります。（尚、目に見える形での出血性を伴う人は、感染中期～末期までにおいて2割程度であることが最近報告されています。これはある意味、感染しているかどうかを判断するのを遅らせます）

これらの理由から、よほど遺伝型とし細胞膜がエボラの取り付けない細胞構造をしているなどしなければ、発症することになります。これは、新型インフルエンザでも言えることで、未知のウィルスの多くは、こういった大規模感染に繋がります。エボラの場合は、それに免疫に対するステルス性があり、発症から急性症状までの時間が短いため、致死率が高いのです。

３．陰謀説だとかいいますけど。ハッキリ言えばよほど自国の国民のことも考えないような国が開発しない限りは「ない」です。まあ、あるとしたら先進国ではないでしょうが、ISISならたぶん成果を公表するでしょう。尚、ISISが悪用することは現時点では低いと思われます。
理由は、致死率が不明確であること。感染経路が接触、飛沫感染（飛沫核ではありません）であることが理由です。同じ使うなら、炭疽菌や毒ガスを使った方が、確実な死を与えられます。

陰謀も同じで、たとえば致死率が100人中99人なら、陰謀の可能性も否定はできません。しかし、現状では6～8割です。しかも、誰が死ぬかはロシアンルーレットのようです。接触した人の一部で、発症はこれまでの型で2日～4日、現在流行のタイプで7日～21日（長くとも24日程度）となっています。

質問者様が、もし敵国にばらまくとして武器として使いますか？

たとえば、米国を滅ぼすために撒くとしましょう。撒きました、撒いた周囲の人は全て死ぬでしょうか？大半は死にません。なぜなら、空気中に撒いても、数秒中に空気中のウィルスは感染力を失うためです。

その辺りから兵器として現段階で使えるものではないと思われます。そもそも、確実なワクチンがないものは、よほど幹部も死ぬ覚悟がないと使わないでしょう。

以上のようになります。これらは、もう少し俯瞰（ふかん）し、心を落ち着けて考えると良いでしょう。要は、俺はあの人を絶対に殺したいという時に、エボラで完全に殺せるかということです。しかも、リスクを冒して兵器として使ってまで・・・。

いかがでしょうか？