おおざっぱな話は、他の方の回答にお任せします。
私は、思いつく限りの具体的な項目を挙げてみます。
人口減少社会のデメリット
1)消費が減少し、多くの分野で市場が縮小する。
企業や個人事業者には売り上げの持続的な長期低落となって影響が現れ、利益の減少が際限なく続く。
2)企業が従業員の給料を削減する。
3)企業が事業を縮小し、支店や支部、工場などの統廃合を進める。
4)企業が従業員のリストラを進めるので、従業員の解雇や待遇の悪いポジションや部署、関連会社や下請け企業などへの戻ることのできない出向が増加する。
5)企業が従業員の新規採用を手控えるか減少させる。
6)企業が縮小し続ける国内市場に活路を見出せなくなり、海外に拠点を移し、営業活動もより海外重視にシフトするため、国内産業の空洞化が進む。
7)企業業績が恒常的に縮小するため税収が減少し、国や自治体の財政赤字が拡大する。
8)財政事情の悪化に伴い、公的サービスの料金値上げや質の切り下げを繰り返さざるを得なくなる。
公共料金の値上げ、国公立病院の廃止、診察時間や曜日の縮小、バスや公的助成で経営が成り立っている鉄道路線の減便や廃止が進む。 9)公務員の大量解雇が始まる
財政事情の悪化に伴い、まず地方自治体から公務員の大量解雇が始まる。
特に公務員の中でも頭数が多く財政上の負担が大きい公立学校の教職員、公立病院の看護師、警察官、消防士等が真っ先に大量解雇される。
その結果、公立学校の廃校、公立病院の廃止、交番や消防署の統廃合が進み、住民サービスが低下する。
既にアメリカの地方自治体では、教職員や警察官が大量に解雇され問題になってきた。
10)少子化が進み、生産年齢人口が減少する一方で、高齢化も進むため、年金、介護、医療などの負担をより少なくなった若い世代がより多く負担するようになる。
結果的に若者や子育て世帯の負担が増加し、国を捨てて他国へ移住する人が増える可能性があり、人口減少に拍車がかかる恐れもある。
11)財政事情の悪化に伴い、社会の公的インフラの維持補修が困難になる。
特に人口の少ない地方では、落橋、トンネル崩落、断崖部での道路崩落などの破損箇所修復ができなくなり放置されるようになる。
都市部では網の目状に埋設された上下水道、都市ガスなどの破裂、漏出事故が相次ぐようになっても、補修費用の捻出に苦悶するようにな
高架、トンネル、橋梁がほとんどである高速道路網の維持補修は特に深刻な問題だが、維持費が十分に捻出できなくなり、通行料金の大幅値上げが必要になるかもしれない。
12)人口が減少、高齢化して消費が減少した地域から順に、買い物難民が増加していく。
顧客が減少することでスーパーマーケットなどの小売業が不採算状態に陥り、店舗の撤退が進む。
田舎はもちろん、都市部でも高齢者の割合が多くなった地域では消費減退により既にスーパーの撤退が進み始めている。
バス路線の廃止や減便も進んでいるので、結果的に日常の買い物もマイカーかタクシーで数km以上も離れたところまで出かけざるを得なくなる。
13)介護や療養に支障をきたす事例が急増する
超高齢者を高齢者が介護する世帯がますます増加する。
結果的に要介護者も介護する者も共倒れする事例が増える。
公的介護サービスや老人医療施設なども、財政的理由で十分ニーズに応えることはできず、むしろ介護施設の報酬減額や介護士の待遇悪化が進み、野垂れ死ぬ老人が増える可能性が高まる。
14)限界集落や廃村の増加
住民の大多数が高齢者で構成される限界集落が増加する。
そうした限界集落の住民が次々と寿命を迎え、村落そのものが消滅していく。
都市近郊でも、いわゆるニュータウン地域など一時に大量入居が進んだところでは、集落全体が高齢化し、要介護者の急増が予想されるが、それに対処できる若い世代が不足し、町全体のスラム化が進む。
15)国土の荒廃が進む
財政事情の悪化と、農業、林業、水産業の担い手の減少、地域住民の消滅などの相乗効果で、国土をメンテナンスする人がいなくなり、国土の荒廃が進む。
既に耕作放棄地の増加、山林の間伐要員の不足などの問題は顕在化している。
16)規模のメリットの喪失
我が国はこれまで食料や地下資源の大口需要者として世界から様々な資源を大口向け割引価格で輸入してこれたが、人口や経済活動の減少によって、規模のメリットを享受しづらくなる可能性がある。
今後、人口大国である中国やインドが更に経済発展してくれば、こうした国々の資源輸入量が激増し、人口減少が続く日本の国際市場に於けるプレゼンスが著しく低下することが容易に予想できる。
そうなると、各種資源の国際価格はこうした人口大国主導で決定されることになり、彼らはより割安な特別価格で輸入できるいうになり、日本はより割高な価格でしか輸入できなくなる可能性が高まる。
既に漁業資源についてはこのような傾向が見え始めており、庶民がリーズナブルな価格で寿司や鰻を食べられる時代は、もう長くは続かないのかもしれない。
17)年金や社会保障制度の維持が困難になり、放置すれば崩壊する
既存の年金制度や社会飛翔制度は、人口増加時代に設計されたものであるため、放置しておけば人口減少期を迎えるだけで自動的に崩壊する。
人口減少社会に於いては、国民は負担の大幅増加、サービスの大幅削減、高齢者の実質的な就労義務の強化、出産数の増加、外国からの移民受け入れ数の増加のいずれかを受け入れる以外に、年金システムや社会保障制度を維持する道はない。
もっとも、例えば日本近海の海底の地下資源が十分低コストで採掘可能になり、メタンハイドレードやレアアース、天然ガスなどの輸出大国に日本が変貌できれば話は別であるが。
人口減少のメリットについて
1)産業活動や消費が低減することで、廃棄物や排出物が減少し、環境負荷が軽減される。
2)住宅事情が改善される可能性がある。
既に地方や都市近郊では空き家の急増が問題になっており、またこうした空き家を積極的に活用して割安な賃貸住宅として利用するなどの試みも始まっているが、税制や法律が時代に流れに追い付いておらず、敢えて空き家のまま放置されているものがほとんどとなっている。
3)日本の真の国際化が進む
年金、社会保障、財政などの観点から、外国人移民の受け入れ枠の大幅拡大が進み、居住者の国際化が進む。
また、国内のビジネスチャンスの減少に伴い、海外で活躍する日本人や日系企業が増加する。
結果的に英語が使える日本人が増え、外国人と接する機会が増えることで日本人が国際化される。
但し、単一民族国家としてのアイデンティティーは薄らぎ、日本特有の文化や伝統は徐々に変質または消失していくことになるだろうが、それはメリットと捉えるべきかデメリットと捉えるべきか、評価は後生に委ねるしかないだろう。
以上、適当に書き連ねてみましたが、こんなところでしょうか。