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落窪物語の一節の敬語につきまして
今は昔、中納言なる人の、女あまた持ちたまへるおはしき。 大君、中の君には婿どりして、西の対、東の対に、 はなばなとして住ませたてまつりたまふに 「三,四の君、裳着せたてまつりたまはむ」とて、かしづきそしたまふ。 ・・・最後の「着せたてまつりたまはむ」の「たてまつり」は 三,四の君への敬意を表す謙譲語ですが、「たまはむ」はなんですか? 中納言の自尊敬語でしょうか?(天皇だけだと思っていました) または、使いかなにかが別にいて、その人が着せてあげるだろう、 ということでしょうか?
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a日本古典文学大系(岩波書店)、b校注古典叢書(明治書院)、c日本古典文学全集(小学館)で本文を確認しました。この部分に関しては、 三,四の君、裳着せたてまつりたまはむとて、かしづきそしたまふ。 で間違いありません(表記の違いはありますが)。 三,四の君、裳着せたてまつりたまはむ は「とて」の上ですから会話文(もしくは心内文)と考えがちですが、おそらく地の文でしょう。「とて」の意味は、下記URLの古語辞典の2「動機・目的」が近いだろうと思います。問題の部分は、 三の君、四の君には、裳を着せ申し上げなさろうということで、 とでも訳せるところ。尊敬の補助動詞「たまは」は、作者から動作主体「中納言」に対する敬意です。 ちなみにa、bは、 三、四の君、裳着せたてまつりたまはむ を「 」でくくっていませんが、cは「 」でくくっています(この全集は現代語訳付きですが、「たまは」は訳出していません)。もちろん私はくくらない派です。
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- OKAT
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訂正です。次の部分の「り」は不要でした。 「三,四の君、裳着せたてまつ<り>らむ」であるはずです。コピーして貼り付けたため消し忘れました。
お礼
改めましてこのたびは、迅速なご回答をありがとうございました。 少しモヤモヤしていたので、他の方の回答も参考にさせていただきました。 OKAT様には以前質問した際にもお答えいただき、 とても感謝しております。 また質問させていただくことがあるかもしれませんが、 よろしくお願いします。
- OKAT
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「三,四の君、裳着せたてまつりたまはむ」とて この部分は学習済みですか。そうだったら、先生から説明があったと思いますが。 「 」の中は中納言の思った内容です。「たてまつり」はおっしゃるとおり、中納言から「三,四の君 」(自分の娘)に対する謙譲語です。「たまふ」があるのは変ですね。 「三,四の君、裳着せたてまつりらむ」であるはずです。 中納言レベルの人に「自尊敬語」はあり得ません。作者の書き間違いではないでしょうか。 念のため、下記サイトの現代語訳は次のようになっています。 「三、四の君の裳着《もぎ》【女性の成人式】をしてさしあげよう」と、たいへん大切に世話をしておいでになる。
お礼
ご回答ありがとうございます。 当方再受験生のため聞ける人がおりません。 この文章は手持ちの参考書(富井の古文読解)にのっていました。 初学者向けのメジャーな参考書なのであえて特殊な例なんて載せないかな? と思ったのですが、やはり「たてまつりたまはむ」っておかしいですよね・・。 誤読が怖く、気になってしまいます。
お礼
ご回答ありがとうございます。 なるほど・・納得いたしました! 3種類も文献を確認してくださって、心より感謝いたします。 また質問させていただくことがあるかもしれませんが、 よろしくお願いします。