その番組を見ていないので、発言者の真意は分かりかねますが、泥棒を殺傷しても罪にならない場合があることは確かです。
「盗犯防止法」という法律があります。
正式には「盗犯等ノ防止及ヒ処分に関スル法律」と言います。
この法律の第1条によれば、泥棒を捕らえようとして、または奪われたものを取り戻そうとして行なった行為の結果、泥棒を殺傷してしまった場合でも、刑法第36条の「正当防衛」が認められます。
また第1条の2によれば、実際に必ずしも生命・財産・貞操などの危険がなかった場合でも、恐怖・狼狽・興奮などにより、犯人を殺傷してしまった場合にも、これを罰しない、としています。
つまり、盗犯等に対する防衛行為は、正当防衛を通常よりもかなり緩やかに認めると言うことだと思います。
現実に自分の家の中に見知らぬ人が押し入ってきたり、刃物を持った強盗に襲われたりした人の恐怖心は尋常なものではないでしょう。そういう人に対して、正当防衛を必要最小限度にせよということを厳格に要求するのは馬鹿げていると思います。
そういう意味で、盗犯防止法第1条の規定は、妥当なものだと思います。
しかし、もちろん、既に捕らえられ、手足を縛られた犯人に殴る蹴るの暴行を加えることは、明らかな犯罪になると思います。