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ウッディアレンは性格悪い?
ブルー・ジャスミンという映画を観ました。 破産した元セレブの女性が人生をやり直そうと頑張って這い上がろうとしたけれど・・・ というストーリーでした。 私は、笑えるストーリーではなかったのですが、 映評の中には、「観客はゲラゲラ笑ってた」とか「ウッディアレンの映画だから気楽に笑えた」などとあります。 ケイト・ブランシェット演じる主人公ジャスミンは、はかなげに美しく、冒頭の登場シーンから精神を病んでいることがわかります。 人生に傷ついた人間が、それでも懸命にやり直そうとして、現実と自分の願望のギャップからちぐはぐな行動をとり続ける。 それって、ゲラゲラ笑うようなことなんでしょうか。 チャップリンも人間の愚かしさを描いていますが、賢明にいきる人間への憐れみや温かさを感じます。 ブルージャスミンがゲラゲラ笑う映画だとしたら、ウッディアレンの視線には人間への愛が感じられません。 アレンはガリバー旅行記を書いたジョナサン・スウィフトのように人間を憎んでいるのでしょうか? また、「そうして笑っている観客をウッディアレン監督が笑っているだろう」というレビューもありましたが、笑っている観客も悪趣味なら、その観客の悪趣味さを笑っている監督はさらに悪趣味だと思いました。 ウッディアレンって性格ゆがんでるんですか?
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- shalecoube
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個人的には、きらわれることを割り切っている正直者、なんて印象がありますが、 どうなんでしょうねw ウディ・アレンの作品は、よくも悪くもむらっけがあると思います。 常に一定の面白さはあるものの、作った時期により、 シニカルに寄ったもの、ハートウォーミングに寄ったものと、 作品のカラーにずいぶんと差があります。 今回のシニカル度の高い作品が、あわなかったのかもしれませんね。 もしまだ興味があれば、いくつか見てみるのも、一案かと思います。
- toast5
- ベストアンサー率37% (239/638)
ウッディアレンが「シニカル」だということはまあ、定評と言っていいと思います。 ストレートな正義漢から見れば、シニカルな者は「性格悪い」「ゆがんでる」 「悪趣味」「人間を憎んでいる」ように見えても不思議はないのですが、 例えばそれを「人生の複雑さを表現している」と解釈してみてはいかがでしょうか。 性格は、いいか、悪いかのどっちかである、 感情は、好きか、嫌いかのどっちかである、 人生は、幸福か、不幸かのどっちかである、 ……と、お考えだとしたら、ちょっと素朴すぎると思うのです。
お礼
回答ありがとうございます。 お礼が遅くなり申し訳ありません。 シニカルな監督であるわけですね。 じゃ、絶対にお人好しであるはずはなく、複雑な人格ですね。 ものの見方も当然、複雑です。 他の方へのお礼を書くうちに、おぼろげに理解できてきたような気がします。 (誤解かもしれませんが) 監督は、シニカルに人生を見つつ、その人生で愚行を重ねる人間という存在を温かく優しい目で見ている、 そういう人かな、と思います。 そして、人間を愛しているのであって、憎んでいるのではない、と思います。 私がこの質問をしたのは 「ゲラゲラ笑って溜飲下がる映画」的なレビューに違和感を覚えたためです。 監督は「バカな女だよ、笑っていいよ」と言っているのか? という疑問です。 あの映画には笑う点はいっぱいありますが、「嘲笑」には違和感を覚えたのです。 人生の複雑さを表現しているのであれば、 「嘲笑して、おわり」の映画を作るとは思えません。 以下ちょっとネタバレ、 とくにラストシーン、 ケイト・ブランシェットのあの複雑な眼差し、 あれは何を見ているのか?何を考えているのか?どこへ行こうとしているのか? 監督がブランシェットを起用した理由の一つがあの眼差しだと思いました。 私も彼女のあの眼差しに魅せられます。 あのラストシーンを、 単に、「また他の男をだまそうとしてるんだよ、どうせ失敗するのにね」といい切るレビューに、 そういう映画なの? と思ったのです。 もし、まだご覧になっていないのなら、ネタバレごめんなさい。
- hayasi456
- ベストアンサー率40% (2402/5878)
>ウッディアレンって性格ゆがんでるんですか? そうかもしれません、鬼才であることは確かでしょう。 以前映画雑誌でウッディ・アレン日本の映画(悲劇)に英語の字幕を付けコメディにしてしまった。 と言った記事を読んだことがあります。 nomaneneさんは優しい人のようですね。 ウッディ・アレンのコメディは皮肉の利いた笑いが多いかもしれません。 ウッディ・アレンだけでなく多くのコメディがそうだと思います。 ブルー・ジャスミンを私は見ていませんが「ウッディアレンの映画だから気楽に笑えた」と言う評価は? ウッディ・アレンの映画だからで気楽に笑えるとは余程のウディ・アレン通なのかもしれませんね。 人の好みは様々、 美味いと言われた店で、これが騒ぐ美味さかと思ったことはしばしば。 映画も自分で見ないと解らない。 私が好きな彼の作品は ・ボギー!俺も男だ (情け無い男への憐れみに満ち溢れています。) ・ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう。(単純に笑えます。) この2作は確か池袋文芸坐で回りもゲラゲラ笑って見ていました。 そして ・カメレオンマン ちょっと特殊な作品です。 何故か3作ともレンタルVHSはあったのにDVDは無い作品です。 機会があったら美味しさは期待しないで、 是非、見て下さい。
お礼
回答ありがとうございます。 お礼が遅くなり、申し訳ありません。 アレン監督は鬼才なのですね。 「鬼才」とか「怪人」と呼ばれる監督が、″お人よし″であるはずはないですね。 N0.2の方へのお礼にも書きましたが、性格の良し悪しと作品や能力とは別物と思います。 違和感を覚えたレビューもNO.1、2の方へのお礼欄に書きました。 >ウッディ・アレンの映画だからで気楽に笑えるとは余程のウディ・アレン通なのかもしれませんね。 「アレン映画というお墨付きだから、笑う映画だ」、というニュアンスに、はぁ?と思いました。 通好み、ということなら、 アレン監督は、笑う映画だと思って笑う観客も想定内で、笑って許してる、ってことなのかもしれませんね。 人の好みはそれぞれ、という点については、まったくおっしゃる通りだと思います。 絶賛されたラーメン屋で首を傾げたことは何度もあります。 評判は評判、みんなはこれが好きな味なのね、と尊重したうえで、 自分の感覚は自分の感覚として大事にしたいと思っています。 お勧めの映画、見る機会があれば見たいと思います。 ありがとうございました。
- ojiq
- ベストアンサー率41% (121/291)
30年以上にわたるウディ・アレンのファンとしては、黙っていられないので、一言。 「ブルージャスミン」については、ウディ・アレンのファンには少しもの足りないかもしれないという批評もありましたが、近年の作品のなかでは、2009年「人生万歳!」2011年「ミッドナイト・イン・パリ」に次ぐ力作だと思います。映画の前半や世間的な印象を観ているとシリアスな悲劇のように受け取ってしまうでしょうが、第二のオギー事件以降はどう観てもコメディです。 ジャスミン曰く「第二のオギー」こと「ジンジャー(ジャスミンの妹)と結婚しようとする男」チリが、パーティでジンジャーと知り合ったアルの方に彼女が行ってしまうのではないかと怖れて、働いているスーパーにまでやって来て、気になって眠れないと泣き出します。そのアルが結婚していたことが判り、チリの元に戻って来るというドタバタ模様。そして、トドメはスンイとのスキャンダルすら今や自作に取り込んでしまうウディ・アレンの自虐的な客観性〔フランスからの留学生と浮気しているという情報をつかんだジャスミンがハル(ジャスミンの夫)に詰め寄ると、本気で考えていると開き直る回想のシーンで、その娘が10代ということが判明〕。 そうか、やはりコメディであったかという視点で前半も洗い直してみると、ハルが首吊り自殺をしたとジャスミンが他から揶揄された時に、「首吊りっていうのはねえ、首が折れるんだよ」と2回も説明する場面が強烈に思い返されます。首吊りというものの真実を語ることで、夫に自殺されてしまったという屈辱の思いを巧みにすり替えたつもりが、より屈辱的なことになってしまっているというプライドの高さが自爆につながる典型例。これぞコメディと言わずして何か。 最後まで観ていけば、ジャスミンが夫の詐欺行為に途中で気がついて止めようとし、止められなかったことが、最後の告発電話につながったことも理解できて、彼女が理性を持ち合わせていたことが十分に伝わって来ます。そういう彼女が必死に幸せをつかもうともがいている姿に共感できないでしょうか。これは転落した生意気なセレブ女の話ではないですよ。 最後に、ジャスミンの妹ジンジャーを演じたサリー・ホーキンスは、つまらない男に引っかかってばかりなのに、それを不幸とも感じていないこの役柄はとても難しいものだと思います。助演女優賞のニョンゴより数段上の演技です。
お礼
回答ありがとうございます。 お礼が遅くなり申し訳ありません。 それと、補足にも書きましたが、決して作品や監督を非難、否定しているのではありません。 質問ではネタばれにならないように、と思い、簡単に書きました。 作品の出来や監督の能力と、監督の性格の良し悪しとは、別ものと考えています。 ジンジャーと彼女を取り巻く人達の、教養はないけれど愛すべき単純さは、コメディ的な部分だと思います。 ジャスミンの自ら墓穴を掘っていく言動もまた、笑いを誘う部分だと思います。 シリアスな映画でも、全編シリアスだらけでは観客は疲れます。 私が違和感を覚えたレビューは、NO.1の方へのお礼欄にも書きましたが、 ジンジャーの現実を直視しない愚行、さらには、その没落の原因が自分自身の告発によるものだということ、それらに対する嘲笑。 「全部自分で招いた結果だろう、なんてバカ女」的な嘲笑です。 ジャスミンの愚かさ、現実から目を背けようとする愚かさ、ジンジャーたちの単純さ、愚かさは、人間なら誰でも持っている愚かさで、 それを嘲笑して「憂さが晴れました」「せいせいしました」と言える人の感覚に違和感を覚えたのです。 >ウディ・アレンの自虐的な客観性 アレン監督が自虐的であるならば、監督は自分の中にもジャスミンやジンジャーを見ているのではないでしょうか。 そして、それを「笑い」にするのではないでしょうか。 それは苦笑いであり、泣き笑いであり、時には嘲笑であるかもしれませんが、 「見栄っ張りのバカ女を思い切り嘲笑してせいせいしました」という「客観性」とは違うのではないでしょうか。 「アレン監督の映画だから、安心して笑えました」 そういう観客を予想して、ウディ・アレン監督がほくそ笑んでいるとしたら、やはり性格悪いです。 今、このお礼を書きつつ、 嘲笑して映画館を出る観客の愚かさもまた、愛すべき単純さであると、監督は優しい目で見ているのかな、とも思いました。 回答ありがとうございました。
補足
回答ありがとうございます。 取り急ぎ、補足させていただきます。 映画はとてもいい映画でした。大変よくできていると思います。 決して否定しているわけではありません。 お礼はまたあらためて書きますので、とりあえず、補足いたします。
- IDii24
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ブルー・ジャスミンはまだ見ていませんがウディ・アレンの映画はかなり見てますし、好きですね。 どれも彼独特の視点を描いたものです。一般の人が全部が全部共感出来るものではないと思います。だから日本ではあまり上映されないのでしょう。 独特というのはいわゆる哲学的とでもいうものであり、単純に笑いは軽率ということでとらえられるものではないと思います。笑うから軽蔑しているのか、笑われることはみじめなのか?そういう単純さで言えるものとしたいなら、ゴジラとかスパイダーマンとか見てたほうがよいと思います。 そのレビューはある意味的をついていて、ウディ・アレンの映画を見るときは、描かれているものの表面だけを見ず、その100倍も考えをめぐらすのが楽しいのです。観客が笑ったというのはおそらくそれを知っているからでしょう。そしてアレンがそれを笑っているだろうというレビューもそこから派生する観客にもたらす影響を楽しんでいるという意味だということで、アレンの性格をとらえたものだと思います。 つまりもう一回見てみることをお勧めします。たぶん見えなかった部分が見えると思いますよ。アレンの映画は数回見ないとわからないです。
お礼
お礼が遅くなり申し訳ありません。 >笑うから軽蔑しているのか、笑われることはみじめなのか? おっしゃる通りです。笑いにも好意的な笑いもあれば、苦笑もあり、嘲笑もあります。 レビューで私が違和感を覚えたのは、 「見栄っ張りのバカ女の勘違いっぷりが大いに笑えた」 「上昇階段から落ちてきた人間を思いっきり嘲笑して憂さが晴れました」といったニュアンスのレビューです。 そうした嘲笑的な笑い、いわば「他人の不幸は蜜の味」的笑いを観客に提供し、 予想通り観客が嘲笑するのを見て、監督がほくそ笑んでいるとしたら、相当に人が悪いな、と思ったのです。 もう一回見るかどうか、考えてみます。 回答ありがとうございました。
お礼
回答ありがとうございます。 シニカル度の高い作品だ、と私は思いました。 それで、「コメディ、笑える」「大笑いして憂さ晴らしできた」といったレビューに?と思って質問しました。 >きらわれることを割り切っている正直者、なんて印象がありますが、 実は私はアレン監督はあまり好感を持っていません。初期の作品だけで、他は見ていません。 「おかしな顔やおかしなことをすれば、おかしいのは当たり前だろ」という感じで好きじゃないのです。 (ろくに観てないくせに勝手なこというな、と言われそうですが、ごめんなさい) でも、アレン監督は、ほんとはシャイで周囲を気にする人なんじゃないかな、と思ってますが、違うんでしょうか? 今回の作品も、ケイト・シュゼットだから観ようと思い、アレンと知ってやめようと思ったくらいです。 でも、観てよかった、と思っています。私としてはおすすめ映画です。 シニカルでよかったので、 それで、「勘違い女を笑って、憂さ晴らしできた、アレン映画は笑える」という楽天的なレビューに違和感を持ちました。 もし、そうならば、アレン監督って、歪んでる?と思い質問しました。 (歪んでるから、作る映画がつまらない、という意味ではありません)