動物の世界では住居を持たないのが「普通」です。季節や餌に合わせて移動する必要があるので一ヶ所に定住したりそこに立派な家を構えること自体非合理です。
寝る時間になったらその場で寝る。雨が降ったら近くの物陰へ。そんな行き当たりばったりが動物の普通です。人間に近いチンパンジーやゴリラでも寝るときに近くの枝葉で軽くこしらえるだけです。
にもかかわらず巣を作る動物には人間と目的が違うものがあります。
巣の役割の1つ目は繁殖です。繁殖期にだけ作り、卵から孵って行動可能になるまでのものです。なので人間でいうとベビーベッドだけの部分になります。昆虫、一部の魚、多くの鳥が行っています。
2つ目が罠です。捕食のために作った場所で生活しているものです。蟻地獄やクモの巣、モグラ塚などがそれです。人間でいうと住み込み仕事のようなものです。
3つ目が冬眠です。人間には無い行動ですが冬眠のときは巣を作る動物が多数います。クマやネズミ、リスなどが代表です。クマの場合、自然の穴を利用することが多いため子孫に代々受け継がれることもあるそうです。
これら以外で人間のように定位置に寝泊りをする動物はプレーリードッグやハムスター、ビーバーでしょうか。餌を求めて外出し帰って来るという巣は意外と珍しいはずです。