デジタルコンピュータで人工知能を作る場合に問題になる事があります。処理速度の問題ですね。
デジタルコンピュータは人間の脳に比べて遥かに高速で演算出来るのですが、連想記憶のように大量の情報を一瞬の間に検索して結果を出す処理では、人間よりも遅いようで、これを克服しないと人間並みの知能を発揮出来ないでしょうね。
たとえば、人間の脳と同じぐらいの記憶容量を持つデジタルコンピュータを開発したとしても、情報のほとんどがハードディスクに記憶されているのだとしたら、連想記憶で処理させると、頻繁にハードディスクにアクセスしなければならず、処理が遅くなります。
全ての情報が高速メモリーに記憶されていても、連想記憶で処理させると、大量の情報を並列処理させなければならないので、処理速度が遅くなるでしょう。人間の脳のように何万という情報を並列処理で読み出して一瞬で連想出来る能力はデジタルコンピュータにはありません。
人間並みの知能が持てるのは、量子コンピュータや光コンピュータだと言われています。量子メモリーでは大量の情報を並列処理で同時演算出来ますし、光メモリーでは情報をホログラムで記憶して並列処理や連想記憶が一瞬で出来るので、大量の情報を高速で処理出来ると考えられています。
デジタルコンピュータは情報量が増えるほど、連想記憶に必要な時間が長くなり、計算速度が遅くなりますが、量子コンピュータや光コンピュータは人間の脳と同じで、情報量に関係なく、同じ速度で連想記憶出来ます。
デジタルコンピュータ上で動く人工知能は、あらかじめわかっている問題は高速で処理出来ますが、未知の問題が生じると極端に処理速度が落ちるか、フリーズする問題があって、判断が堅い人工知能しか作れません。
確かに、チェスや将棋などのゲームでは名人を負かすほどの能力を発揮していますが、動物並みの柔軟な能力を持つ人工知能まで到達したコンピュータは無いだろうと思います。昆虫程度の能力が限界でしょうね。