福祉施設の経営者になるには資金より現場が大事か
僕は、将来福祉施設の経営者になりたいと思い、社会福祉士を取得しました。
そこで関東の某所でグループホームを運営する知人が、
「福祉施設の経営者になりたければ、まずは現場が大事だ」とアドバイスしてきました。
そこで、僕も彼の言葉こそ王道だと信じて、現場に向かうべく職探しを始めようとしました。
しかし、ふと立ち止まって考えたとき、僕は疑問を抱きました。
――(皆様も承知のとおり)福祉の現場は、低賃金・重労働で有名なので、
先に福祉の現場へ行ってしまっては、せっかく現場経験を通して「中身」ができても、
金がなくて「器」(施設といったいわゆるインフラやハコモノ)が確保できないのではないかと。
彼の場合は、その地域でも指折りの地主や資産家で、経済的に余裕があるから、
低賃金・重労働の現場でも安心して勤められるのではないかと踏んだわけです。
かたや僕の場合は、一応親名義の土地はありますが、
彼とは比べ物になりません。
そんな懸念があって、まずは福祉以外の職場に勤めて、金をためてから、
現場に進んだほうがいいのではないかと、僕は考えました。
もちろん、それだけで資金を全てまかなえるとは思いませんし、
前出の彼とて、全額自己資本で建てたとは思えず、銀行から借りるのは
不可欠ですが、最初から融資ばかり当てにするのはどうかと思えました。
それにもかかわらず、彼は「現場が大事だから、たとえ土地や資金の問題があっても
現場をまず優先しなさい」というスタンスをかたくなに主張してきました。
両親も、「当たり前だ」と、彼のスタンスを疑いなく信仰している様子です。
失礼ながら、金も土地も潤沢にある地主や資産家の高慢ちきのようにも聞こえました。
福祉施設の経営者になるには、たとえ十分な資金や土地がなくても、
現場経験を最初からやるべきでしょうか??
もちろん、僕も福祉施設を立ち上げるプロセスの中で、
現場経験がどこかで不可欠なのは、否定しませんが、
まずは資金のほうが大事だといって、現場を後回しにする発想では、
福祉施設の経営者にはなれないのでしょうか??
介護のような現場経験以外にも必要なものは多々あると思いますし、
はじめに現場ありきでは、上のような懸念はどうしてもぬぐえないのですが。