>構造的にその方が電磁波を止めやすいとかがあるのでしょうか?
そういうことはないですね。穴のない金属板なら、どんな波長の電磁波でも同じに作用するので、一番確実です。例えば金属球殻内は、外にどんな強い電磁場があっても内部の電磁場の強さはゼロで、電磁場の独立した振幅である電磁波も内部には影響できる、従って届きません。でも、目視が必要ならそれでは不向きです。穴があいている必要があります。
以下、平易化・単純化した説明で、不正確な部分があるかと思います。正確な説明については、詳しい技術参考書等でお願いしなければならず、予めお詫びして、ご了解をお願いします。。
金属に穴が開いており、そこを狙って電磁波が進んでくる状況を考えてみます。電磁波は、電場と磁場が同期した正弦波であり、横波として進みます。
穴から見ると、電磁波の出力に応じて伸び縮みする線が近づいてくる状況になります。穴より大きければ、電磁波は穴に納まりきらず、金属にぶつかって吸収され、通り抜けられなくなる可能性があります。一定以上の出力の電磁波を防げる可能性があるわけですね。
あくまでも可能性で、一点にまで縮むこともあるのですから、通り抜けるかもしれません。それを、今度は穴を横から(つまり金属板から)眺めてみます。そこへ、穴より振幅が大きい(すなわち出力が大きい)電磁波が通り抜けようとします。
穴より振幅が大きくなっている電磁波は波長に関わらずぶつかって止まります。穴の入り口に振幅が小さくなった一部の電磁波に入り込まれても、通過中に振幅が穴より大きくなれば、ぶつかって電磁波は金属に吸収されます。
つまり、穴が小さく、分厚いなら電磁波は通れないわけです。穴の大きさと遮蔽板の厚さは、、対象とする電磁波の波長によって、設計しなければなりません。
たとえば、電子レンジの全面ガラスが止めたいのはマイクロ波です。電子レンジの出力数百ワットであっても、そのマイクロ波が止まるように穴の大きさと遮蔽板の厚さを決めています。
そのため、同じくマイクロ波を使う携帯電話を電子レンジにいれ、その携帯電話に電話を掛けても着信しません。電子レンジ内の携帯は外からのマイクロ波も遮られて、圏外になってしまうのです。
ところが、マイクロ波よりずっと波長が長い電磁波を使うAMラジオは、電子レンジ内でも受信できたりします。これは波長が長いから、運よく振幅が小さいときに穴に飛び込んで、振幅が小さいまま出て行けるからです。
AMラジオの電波の波長は数百メートルもあります。一方、マイクロ波はミリメートルのレベルで、それに対応できる穴あり遮蔽板では、けた違いに長い波長には対応できないわけです。
P.S.
よくある「波長より充分小さい穴なら電磁波を止められる」という簡便な説明では、電子レンジ内のAMラジオの現象が説明できなさそうので、そこを気にして上記のような説明に致しました。簡便な説明の意図・前提を既に汲み取っておられましたら、申し訳ありません。
お礼
回答ありがとうございます。 一番丁寧に詳しく解説して頂いたのでベストアンサーにさせて頂きます。 ありがとうございました。