心理士で、うつの経験者です。
過労から、軽度~中等度のうつになり、精神科で8年ほど診てもらい、「寛解」したと診断されています。
私自身は、質問者様がおっしゃるような時期からは、
1.早寝早起きと、1日の中で軽い活動をする時間と休息時間とを取り入れ、生活リズムを確立する
2.朝起きたら、カーテンや、窓を開け、日光を浴びる
3.軽い運動をするため、散歩に出る
4.リハビリのためという意味もあり、パソコンや、読書などを負担にならない程度に取り組む
といったことを中心に行っていました。
もちろん、この時期、「雑念が入る」とおっしゃるように、「よくなってきた」と感じられ、どうしても復帰を焦ったりなさるお気持ちが出てくるかと思いますが、そういう焦りは禁物です。
私自身も、焦って復職に失敗したことが何回かありました。
その背景には、「よくなった」という自己評価は、どうしても甘い評価になりがちですし、あくまでも、休息や、安静の状態を続けている中での「改善状態」です。
お仕事の種類や、負担度にもよりますが、回復の程度は、主治医や職場の上司など、他者の目から見た評価も十分に考慮してください。
散歩などの軽い運動は、うつによい効果があるという報告がありますが、あまり義務的にやられたり、過度に負担にならない様にお気をつけください。
まれに、同じコースを毎日きっちり歩かないと気が済まないとか、中には、近所の学校などに行って運動場を何周も回っているという方がいらっしゃるとか、一定の距離をあることを決めているという方のことも伺いますが、あまりそういう融通の利かないやり方にこだわらない方がよろしいでしょう。
私の場合は、ある時期から、デジカメをぶら下げ、自宅近辺の寺社仏閣を回ったり、公園で見かける花や鳥を撮ったり、路地裏をブラブラしたりと、気ままに、興味・関心の赴くまま30分~1時間程度、あまり疲れを感じないで住む範囲から散歩をするようになりました。
気分転換にもなりますし、新たな興味の対象を見つけたり、忙しくしていた頃には気づかなかった季節や自然の変化に気づけるようになり、自分の世界が広くなったというのも副産物でした。
人と話ができるというのは大切なことですが、こういう散歩途中で出合う、見知らぬ方と挨拶したり、世間話をする方が、却って、知り合いや友人などと話をするよりも、気楽に話せたりして、案外そういうことが、回復にプラスになったような気もします。
ご自身の心身の状態や、その変化にもよく目を向け、負担にならない様にお気をつけ、また同時に、主治医の先生ともよくご相談になり、これらのことを可能なところから取り入れてご覧になることを、体験からもお勧めしたいと思います。
もちろん、こういう試みをなさりながら、受診は定期的にお続けになり、また、受診の際には必ず主治医と直接面談されることは必要です。
焦らず、慌てず、ゆっくりすぎると感じられるくらいのペースでなさることが肝心だと、私自身の体験からも申し上げたいと思います。
希望をお持ちになって、少しずつ続けましょう。
以上、少しでもお役に立てれば幸いです。