子供さんのようですので、解りやすさを最優先にして出来るだけ簡単に書きます。
ちょっと難しい話しもありますが頑張って読んでみてください。
この犬は柴犬ですよ(犬種標準)と証明する、世の中で信用がある団体は日本では三つあります。
1)日本犬保存会 (文部省認可の日本犬団体。例えば秋田犬・紀州犬・柴犬が有名です)
2)天然記念物柴犬保存会 (柴犬専門の団体)
3)JKC = ジャパンケネルクラブ (警備犬協会として農林水産大臣の認可を受けた洋犬も含む畜犬団体。珍しい外国の犬やよく見る外国の犬。柴犬は外国でも多く飼育されていますので柴犬も対象になっています)
1)2)3)共に犬種標準を定めている団体です。
犬種標準というのは、スタンダードとも言い『この犬種はこういう姿形が理想で、性質はこういうのが理想』ということです。
「この犬種なら、こういった犬が100点」
これはとても重要です。
(だから犬のコンクールがあります。コンクールでは姿形だけでは無く"健康な犬"というのも重要な審査ポイントです。犬を審査する人の事を審査員といいますが、とても難しい専門の勉強をしないとなれません)
どうしてスタンダードが必用かというと、犬には色々な種類がいます。
色々な種類の犬がいますから、「○○という犬種はこれが理想の姿」という標準を決めておかないと、どれが理想か解らなくなります。
例えばトイプードル(小型犬)という犬がいますし、スタンダードプードル(大型犬)という犬もいますよね。
他にもプードルという名前がつく犬種はいて、全部で四種類います。
ですから『トイプードルはこれが理想の姿ですよ』と決めておかないと、ややこしいですよね。
トイプードルのブリーダーさんも『この犬は大きい』とか『この犬は小さい』という簡単なことでも(理想=100点)が存在しないと大変です。
犬種の理想は、その犬種を守っていくために大切な事です。
多くの犬は一歳になったら子供を産めるようになりますから、理想の姿が無いと10年も経ったら、とても大きいトイプードルなんかが出てくるようになります。
(人間でもそうですけど、大きいお父さんと大きいお母さんの子供は、やっぱり大きくなります。だから理想の姿、サイズが重要になってきます)
こうなると飼った人も困ります。
お婆さんがトイプードルの子犬を飼い始めて、大人になったらとても大きくなると世話をするのは難しくなります。
さて。
豆柴ですが、簡単にいうと(小さい柴犬と小さい柴犬の子供)です。
これをずーっと繰り返すと、小さい柴犬が産まれるようになってきます。
たぶん不思議に感じたと思いますが、柴犬にも理想の姿があって、標準サイズがありましたよね。
お父さんとお母さんが標準サイズだと、小さい柴犬は産まれてきません。
でも、標準サイズギリギリの小さい柴犬はいます。
元々は、こういう小さい柴犬を、お父さんとお母さんにしたのが始まりです。
でも、お爺ちゃんが大きいと、お父さんとお母さんが小さくても、大きくなることがあります。
だから豆柴の子犬を育てていたら大きくなったというのは普通にあります。
インターネットで調べた時に「豆柴も大きくなるかも知れない」という情報を見たと思いますが、こういう理由です。
けれど犬は大人になると、一年に二回子供を産めるようになります。
(とても犬の健康によくありませんので、ちゃんとしたブリーダーさんは多くても一年に一回です。多くは二年に一回程度にします)
お爺ちゃんもお婆ちゃんも豆柴。
これをずーっと(けれど数年です)繰り返していくと、大きくなる豆柴は少なくなります。
なるんですが、元々小さい柴犬が少ないのでどうしても血が濃くなります。
そして「絶対に小さい柴犬が欲しい」という人も世の中にはいます。
欲しい人がいますから、お金儲けにもなるのです。
『お金儲けがしたいから、どうしても小さい柴犬を産ませたい』こういう人は、小さい柴犬を探すのが大変なので、既にいてる小さい柴犬同士で子供を作ろうとします。
この小さい柴犬同士ですが(兄妹)だとか(親子)を、お父さんお母さんにして子供を産ませる事があります。(これを近親交配=インブリードといいます)
インブリードそのものは、お肉の牛や競走馬でもされます。
とても難しい専門の勉強をした人が、健康に注意して病気を持った子供が産まれないように注意しながら子供を産ませるのが本当のインブリードです。
けれど、お金儲けだけがしたい人は、こういった難しい勉強をせずに、簡単にインブリードで子犬を産ませます。
こうすると子犬は産まれますが、中には産まれてきてすぐに健康で無い子犬も産まれます。(それだけインブリードは気をつけないと怖いことです)
産まれてきても売り物にならない犬は、絶対に売り物として出てくることはありません。
売り物になった犬の影に、こういった悲惨な子犬が出てきているのではないか? というのがとても心配で怖いことです。
>豆柴は健康面では、悪く言われていたり、よく言われていたり
とても難しい勉強をしたブリーダーさんは、健康に気を配ります。
お金儲けだけがしたい人(これをパピーミルといいます)は、健康面に気配りをしません。
ですので、健康面は犬に赤ちゃんを産ませた人によります。
ここで問題になるのは、
>豆柴は、正式に認められていない
一番始めに書いた、1)~3)です。
『柴犬の標準』から外れますので、どの団体も豆柴は認めていません。
ただ、血統書は産まれた時に発行されますから『大人になった時に、どんな大きさになったか』は解りません。
解らないので柴犬の標準から外れていても、お父さんもお母さんも血統書があれば、紙切れ以上の意味は持ちませんが、血統書は発行されます。
(そして血統書とお父さんお母さんが合っているか、は解りません。パピーミルはお父さんとお母さんの欄に嘘を書いて血統書発行をさせたりもします)
この時に発行される血統書は、1)~3)のどの団体も豆柴を認めていませんから、豆柴では無く柴犬です。
(豆柴と名前がついた血統書を発行するのは、ある意味簡単です。お金儲けしたい人が血統書を発行する団体を作れば発行できます。でも信用は作れませんから、やっても意味はありません。騙されたと怒る人が出てきますし、既に出てきています)
1)の団体、日本犬保存会はあまりにも混乱が目に余るので「今後も豆柴を認めることはありません」と発表しています。
もし2)や3)が認めることがあるとしても、『健康な犬』が絶対条件になるはずです。
けれどもインブリードが繰り返され、健康面で不安がある状態では、どこの団体も認めてくれません。
というのも『健康的な血統では無い』という理由で、それまで認められていた犬種が、登録から外されることもあるからです。
(世界にはFCI・AKCという大きな団体があります。こういった団体は不健康な血統が多すぎた場合、犬を守るために血統登録を停止します)
命のある犬を、お金儲けの道具に使う人。
これは"悪い人"だと言ってもいいと思います。
中には『豆柴が好きだからブリーダをしている』という人もいると思います。
けれども、あまりにもお金儲けで子犬を産ませるパピーミルが豆柴業界に多いのが問題になってます。
こういった悪い人が豆柴を売る限り、血統書を発行している団体は、豆柴を認めることもありません。(認めてしまうと、団体の信用も無くなります)
そして『豆柴の理想』も非常にあいまいで、血統書を発行している団体が定めた『理想の姿』もありません。
小さい柴犬というだけで豆柴として認められる(と、産ませた人が言う)だけですので、
健康の配慮も姿形も、産ませた人の良心次第です。
「血統書なんてなくても、犬を可愛がって大切にしてあげる」
これは何よりも大切な事です。
けれど「可愛がって大切にするからこそ、産まれてくる子犬ができるかぎり健康であるようにしてあげる。人間ができる限りの努力をする」
これは子犬を産ませる仕事をする人にとって、とても大切な事です。
犬はどれだけ大切にしても、今のところ人間と同じ医療を受けられません。
人間の病院なら大きな病院がありますが、犬の病院はもっとずっと規模も小さいです。
人間ならほとんどの病院にある手術器具も、動物病院では置いているところがとても少ないです。
『人間だったら助かったはず』という病気で、亡くなってしまう犬がイッパイいます。
これを良くするには、とても多くのお金と、まだまだ多くの時間が必用です。
急には変わらないからこそ、健康な犬を産ませるというのは、とても大切になります。
犬には罪はありません。
豆柴をみんなが安心して飼うには、豆柴を産ませている大人が変わらないといけません。
豆柴の事情を知っている人ほど、あまり豆柴のことを良く言わないのは、豆柴を産ませている大人に悪い人がイッパイいすぎるからです。
ちょっと難しい話しが多くなりましたが、豆柴が認められるようにブリーダさんが頑張ってくれると良いですね。
解らないことがあったら、補足で書いてください。
できるだけ解りやすいように頑張って書きます。
dakkusuhunndoさんは、とても熱心に犬のことを勉強してらっしゃるようですので、犬がもっと幸せになれるように、これからも頑張って勉強してください。
今から頑張れば、将来どんな仕事にでもつけます。
犬と犬を愛する人のために、良い未来を作れるように頑張ってください。
お礼
長い文章ありがとうございます。詳しく分かりました。今後も回答してくださいね。豆柴はあまりよくないのですね。