自閉症をどう説明すればよいか
医療従事者です。
詳しい経緯は省きますが、先日ある女性に自閉症スペクトラムを授業する場面がありました。
患者に対してではなく、学生向きの講座のようなものです。
その際、
「自閉症というのはあくまで脳の発達あるいは機能の障害で~」
と私が話しはじめたところ、その女性は激怒され、
「自閉症は障害ではない!」
「自閉症を病気だというのは間違っている!」
「先天的なものは病気ではないのだ!」
とおっしゃいました。
自閉症を病気と言ってしまうかどうかに議論があることは、もちろん私も存じております。
そのため、あえてその言葉は避けていたのですが……。
色々突っ込みたいところはありましたが、その場は何とかなだめ、事なきを得ることができました。
後に詳しく話を伺ったところ、その方は自閉症児の直接的な関係者ではないものの、
社会福祉学を専攻していらしたようなのです。
社会福祉的な立場では、自閉症に障害という言葉は使えない、とこうおっしゃるのです。
しかし、私達医療者としましては、
・自閉症スペクトラムは米国等においてもDSM(精神障害の診断と統計マニュアル)で分類されている。
・先天的なものであろうと、疾患は疾患である。(そもそも先天性疾患ということばもある)
・そもそも「病気」という言葉の定義自体が曖昧で、定義次第で発達障害の扱いをどうするかが変わってしまう。「発達障害」という言葉の定義も、まだまだ議論があるものの、一応は世間的にも広く認知されている。
・自閉症スペクトラムを説明する上で、「発達障害」という言葉はキーワードに近く、省いて説明するのは非常に難しい。
などの理由で、少々受け入れがたいのです。
質問は次の通りです。
・この女性の言葉は、社会福祉学的な立場として妥当なものなのでしょうか?
それともこの女性ならではの考えなのでしょうか?
私は教育としての社会福祉については専門を外れるところがあり、うといのです。
・いずれの場合にせよ、こうした方向けに自閉症をうまく説明しかつ納得させるためには、どのようにすればよいのでしょうか?
ご意見ください。