うちの子も自閉症です。小学校高学年です。
自閉症は治りません。治るたぐいの「病気」ではなく、脳の障害です。
ただ、療育次第では、通常の人と同じような生活を送れるようにはなります。あくまでも、個人差がありますが。
自閉症の子が苦手とするのは対人のコミュニケーションであり、社会性を要求されることです。そういったことに対する想像力が欠如しています。「いま会議中だから静かにしていよう」とか「このひとの仕事が大変そうだから手伝おう」といった周囲への配慮ができません。
自分のそばにムッとした顔のひとがいる。普通なら「自分は何もしていないから、きっとこの人はイヤなことがあったんだな」とか「疲れているんだな」とか思うでしょう。でも、自閉症の子はそんな表情の深読みができません。「自分が何かやらかしたんだ、どうしよう」とパニックになってしまいます。
そういった状況に対処していくために、「こういう場面ではこう行動する」「このように言われたらとりあえずこう答える」といった「シチュエーションのひきだし」をたくさんつくってストックしていくことが、自閉症の子には大切です。療育は、ほぼそれのためにあるといえます。
ただ、いくらストックが増えて、健常人と同じように生活できるようになっても、嫉妬やさげすみなど、高度な感情は理解できない、ということを、大人の自閉症の方が書いています。
でもおおむね自閉症の子はまじめで、「悪いことをする」という概念がなく、いい子が多いです。独自のファンタジーの世界にいる子もいます。親や周囲が「あなたはそのままでいい」と認めてあげれば、その子なりに安定して育ちます。親も、これだけ子どもに関われる、(上の子ではあたりまえと思っていた事柄に)これだけ感動できる、という喜びがあります。「光とともに…」は、その部分をとても明確に描いていたドラマだと思います。
ご心配でしょうが、まだ診断の下せる年齢ではないので、焦らず見守られてはいかがでしょうか?