酸化・還元反応は対になる反応です。起こるときも対になっています。
酸化だけとか還元だけとかが起こることはありません。
酸化剤、還元剤も同様です。対になって存在します。
反応に関係する物質の働きを酸化・還元に対応させるからです。
反応において酸化剤だけしか存在しないとか還元剤だけしか存在しないということはありません。
同じ物質が相手によっては酸化剤になる場合も還元剤になる場合もあります。
塩酸も同じです。
「塩酸は酸化剤として働くことのできる酸である」と言うこともできるのです。
Mg+2HCl → MgCl2+H2
Mgは酸化されています。HClは酸化剤です。
「弱い還元力がある」というのは「相手が強い酸化剤であれば酸化されることがある」という意味になります。還元剤として積極的に他の物質に働きかけていくということはないという意味でもあります。受身的に還元剤として働くということです。その場合、HClの中のClが酸化されます。Hは酸化されませんから可能性はClしかありません。
Clの酸化状態の違いを化合物の化学式で示してみます。
(上ほど酸化の程度が高いです。)
HClO4
HClO3
HClO2
HClO
Cl2
HCl
上から下に行けば還元、逆に行けば酸化です。
HClはいちばん下にありますからClの酸化状態に変化が起こるとすれば上に行くしかありません。
酸化状態に変化を生じさせるためには必ず相手が必要です。
お礼
お礼が遅れてしまいました。すみません。 酸化・還元は相対的なものなのですね。 Clの酸化状態の違いを化合物の化学式で並べたもの解りやすかったです。 ありがとうございました。 >HClはいちばん下にありますからClの酸化状態に変化が起こるとすれば上に行くしかありません。 Clの電子配置が不活性ガスと同じだからこれ以上は還元されない、ということでしょうか。??