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相補分布による音素の決定について
いま、音素の決定について学んでいるのですが、相補分布での決定の流れがわからなく、自分なりにまとめてみました。 まずは(1)最少対の原則 例 [ka]と[ga] /k/と/g/で最少対完成。→音素[k]と[g] しかしこの法則だけでは決められないものもある!!? 例 : 撥音 <ん> ↓ (1)最少対で確認 撥音[m] [n] [N]… などが別の音素となってしまう可能性 ↓ (2)相補分布で確認(同一音素の異音ではないか?)→相補分布していれば同一音素の異音の可能性が高い。しかしまだわからない。そこで、同一音素が環境によって異なる音声になったのであれば、類似する共通特徴を持っている、つまり似ているのではないか。 ↓ (3)環境同化で確認 鼻音という共通特徴を発見、調音点は後続音という環境が決定してる。 <ん>は[m] [n] [N]などの異音からなる音素と決定できる。 このような考えでよろしいのでしょうか? 目的としては、音素を増やさないためなのでしょうか?
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撥音については、相補分布をなす以上、最小対(「少」ではありません)はありません。 したがって、 (1)最小対では確認できない というべきでしょう。 また、(2)「相補分布で確認」されれば、それはもうその段階で異音ということになります。 なお、「類似する共通特徴」というのは当てになりません。 [a] と [e] が同一音素の異音ということもあります。 また、(私は認めませんが)促音や長音を音素とするならば、/Q/ や /H/ に何らかの音声特徴があることになります。 でもそんなものはありません。 「先行する母音と同じ」、とか、「後続する子音と同じ」なんて、音声特徴ではありません。 確かに /h/ と /ŋ/ で必要になるように見えますが、実際には完全に相補分布しているわけではないので。 >目的としては、音素を増やさないためなのでしょうか? 音素とは何か、という根幹に関わるご質問ですね。 分離的な音声には一つとして同じものはない。 同一人物でさえ同じ音が出せないのに、ましてや成人男性と女児とで同じ音声が出せるわけがない。 しかし、我々は「あ」なら「あ」を一つの同じ音として認識する。 それはなぜか? 一つの音として認識される限り、多様な実現が可能であるし、 一定のルールに従う限り、多様な実現は捨象される。 ではその一定のルールとは何か? いろいろあるだろうがその一つが相補分布、というわけです。 数の問題ではありません。