他には、
「40歳超えてからの人生設計が巨人と他11球団で圧倒的な差がある。」
のが原因では。
他球団の場合、引退後肩書きが通用するのは一軍で成績を残してコーチやスカウト、フロント入り出来るほんのひとつまみ程度の選手だけ。あとはよほど面白いキャラを持ってネタとして元プロ野球選手、になるのは可能ですが。
ところが、巨人は相当稀有というか無茶というか、少なくとも巨人の選手として引退さえすれば、2軍暮らしであろうが途中入団であろうが、引退後のケアをある程度球団&グループ企業がサポートしてくれます(何といっても読売グループです、関連も含めサポート可能な業種は多数あります)。俗にいうセカンドキャリア制度、というやつでしょうか。定番の飲食業転身はもとより、大学などへの再入学支援、球界関係としても海外へのコーチ留学や審判転身のための研修、もちろん直接的にスタッフとして球団で雇用するケースも他球団に比べて非常に多い。しかもそれを「球団のコスト」として行なっている。あれだけの巨大球団ならではといえるものです。
※野村克也氏の息子カツノリが巨人でコーチとして非常に重用されているのも、すべては「元巨人」であるが故。あの野村克也(&サッチー)がカツノリが巨人に採用されてから対巨人への舌鋒がすっかり衰えてしまいましたし。
(それと引き換えに巨人に新入団で加入しようが移籍してこようが、後に他球団に転出した選手へのサポートは一切ありません。巨人から戦力外とされた選手は当てはまりませんが(前述のカツノリやかつて最多安打のタイトルも獲得した清水隆行、広島から移籍した江藤智などは今や2軍コーチですし)。FA移籍してきた選手で巨人で引退出来なかった(他球団に自発的に移籍した)選手の巨人スタッフ入りの話はまず聞きませんし、まして巨人からFAで出て行った選手の巨人入りなど以ての外。おそらく唯一の例外になるであろう事象が、かの国民栄誉賞を受賞した松井秀喜氏だと思われます。とはいえ相手先が巨人と提携関係のあるヤンキースだったのが幸いしていますが。正直なところ、巨人で戦力として一時代を築いた仁志敏久や駒田徳広の現状を見ると、いかに”巨人で引退すること”が大きな武器になるかが分かります)
元プロ野球選手といえども、肩書きだけで生活が成り立つと思ったら大間違い。そもそも球界全体では元プロ野球選手自体飽和状態ですから、引退後の人生設計を(もちろん荒唐無稽な計画は無理でしょうが)少なくとも引退後のサポートが確実な巨人に入りたがるのは、選手心理としては当然なのです。
長野にしても菅野や元木、それこそ江川卓にしても(江川は純粋に巨人命だったのでしょうが)、5年程度までの浪人生活など引退後に十分回復出来るだけのウマミが、巨人入団・引退には含まれています。それ以前に、
「他11球団が浪人してまで入団希望する選手を当年ドラフトで指名することがほとんどない。」
やはりその年のドラフトはその年の評判・評価で選ぶもので、(巨人は色々浪人時の裏事情があるでしょうが)未知数の浪人を指名する余裕は他球団にないのも事実です。その上、終の棲家を巨人で…と望まれてはたまったものではありません。悲しいのは現状、MLB出身者といえどもプロ野球選手、以上の評価がないことでしょうか。評価に限れば元メジャーリーガーであろうが元巨人に負けている日本プロ野球、変といえば変ですがこれが70年の伝統ということでしょうか。
お礼
非常に詳しい回答ありがとうございます。 他球団に比べて、巨人で引退する事のメリットがいかに大きいかがわかりました。 特に家族持ちの野球選手だと、巨人残留や入団にこだわるのも良く分かります。