跡を継ぐということの意味
35歳主婦(子供なし)です。
主人の実家が何代も続いている田舎の本家です。
義父は婿養子で、主人は小さいころから将来はお前が家を継ぐんだと言われてきたそうです。
なので、義両親は当然、私たち夫婦にも将来は田舎に戻って後を継ぐこと(主人の実家は地方ですが、私たちは現在東京に住んでいます)と、子供を産むことを望まれています。
こういった考えについて、私自身は特に否定も肯定もなく漠然と、地方や家によって考え方は違うものだし、受け継いでいけるものなら受け継いでいけばいいんじゃないか、みたいな感じで、特に深く考えたことはありませんでした。
ですが、私たちは不妊治療中で、かれこれ2年続けて結果が出ない今、改めて「跡を継ぐ」というのがどういうことか、何の意味があるのかを考えるようになりました。
以下、私の考えるところを書かせていただきますので、みなさんはどう考えているのか、いろいろな意見を聞いてみたいので、何でもいいので教えていただけたらと思います。
私たちは先述の通り、なかなか子宝に恵まれません。治療は精神的、肉体的、経済的にかなり辛く、いつまで治療を続けるか、日々悩んでいます。子供が欲しいので頑張っていますが、やはりお互いに治療で疲れてきていることもあり、最近は子供ができなかったら、二人であちこち旅行したり、楽しく過ごそうなんて話をするようになりました。ですが、義両親は私たちに子供ができなかったら、おそらく戸籍上だけですが、主人の姉の子供(男の子が二人おり、義両親の家の近くに住んでいて行き来も頻繁にあり、とてもかわいがられています)を養子に入れることを考えています。もちろん、本人たちの意思もありますし、私たちもそのようなことは今はとても考えられませんので全く不確定ですが、義両親の考えとしてはそういうのがあります。何としても代々続いてきたのを絶やすことはできない、みたいな考えです。
私は自分自身が子供を欲しいので治療を頑張っていますが、子供ができない可能性は高いし、できたとしても男の子が生まれる保証なんてありません。もし女の子が生まれたら、跡を継ぐためにまた養子を取らなければならないのか。でも彼女の好きになる人が婿養子に入ってくれるなんてかなり可能性は低いと思います。晩婚化、少子化の時代で、そんな相手を見つけるなんて不可能だし、そもそも家を継ぐために好きな人と結婚できないとしたらそれは不幸だと思います。
また、義姉の子供が養子になるとして、もしその子に男の子ができなかったら、私たちと同じように悩むのではないかと思います。自分は養子にまでなって跡を継いだのに、自分に跡継ぎができなかったら責任を感じるんじゃないかと。養子に出せるほど男兄弟のいる家なんてどんどん減る一方で、今の時代、名前を受け継いでいくだけでも難しくなっていると思います。
また、義両親は私たちに田舎に戻って、家屋敷や畑などを全部受け継いでもらいたちと思っていますが、それもまた難しいと思っています。主人の職場は東京なので、定年までは東京に住むつもりですが、それからいきなり田舎に行っても、私自身は生まれも育ちも東京なので、60を過ぎて突然生活環境が変わるのは厳しいと思います。主人も高校までは地元でしたが、そんなに友人が多いわけではなく、東京での生活の方が長いので、戻っても果たしてメリットなんてあるのかと思ってしまいます。
主人の実家が資産家とか、伝統工芸や代々続く老舗だったりするならともかく、普通のサラリーマン家庭です。ご先祖様にすごい人がいるわけでもないです。代々続いているというので、ご先祖様についていろいろと質問したことがありますが、誰もその功績やどんな人物だったかなどを知ってる人はいません。先祖伝来の家宝があるわけでもなんでもないです。
土地も畑を少し持っていますが、自分の家で食べる分くらいを作っている程度で、受け継ぐ財産らしい財産は全くありません。それをもらったところで、農業なんて突然できるわけでもないし、維持費ばかりかかって、農地なので売るのも手続き踏んだり大変ですし、私自身はそれら(負の遺産?)を継いでいったいどうしろというの??なんて思ってしまいます。
たとえ、私たちに将来男の子ができたとしても、その子は東京で育つことになるので、跡を継ぐために田舎に住むという選択肢を選ぶ可能性は低いと思います。名前は継げたとしても、ずっと土地を継いでいくのには無理があると思います。
そんなこんなで、跡を継ぐことの意味っていったい何なんだろう?と疑問に思っています。
跡を継ぐために、住む場所を制限されたり、男の子を産むことを望まれたりして、いったい誰が幸せになるんだろうと思います。ご先祖様が代々受け継いできたものを後世に引き継がすことができたとしても、それは単に、自分たちが引き継いできたものを欠けることなく次の世代に渡したという自己満足にしか過ぎないのでは、とまで考えるようになってきています。実際、田舎の祖母は、土地を欠けることなく息子に継がすということに必死でしたので、土地信仰みたいのが田舎には根強いのかもしれません。義父は自分が婿養子に入ったくらいなので、子供たちが跡を継いでいくのは当たり前と考えていて、私たち夫婦が将来どうしたいかなどの意見を聞かれたことは一度もありません。私たちが、子供はいなくても二人でずっと東京に住みたいと考えていると言って、受け入れてもらえるとは到底思えません。
私自身、自分がこのままずっと東京にいたいという思いもありますし、子供ができないからといって養子を取ったところで、その子にまた跡継ぎができて田舎に住んでくれるかもわかりませんし、いずれは途絶えてしまうだろうと思っています。田舎には働く場所もないし、子供もできなければ、もう仕方ないのではないかと思います。自分の代で途絶えることに罪悪感があり、昔は兄弟の数も多かったから養子を迎えることができたから続いてきただけなのではないかと思います。
歌舞伎とか、日本の伝統芸能として広く認められ、保護されているものなら、跡継ぎということに社会的な要請もあるのでそれなりに意味があることだと思うのですが、義実家のようなただただ名前を残す、土地やお墓を守るだけのために、犠牲を払う必要性が理解できないでいます。
私はわりと自由な考えな家庭環境で育ち、両親にも「あなたたちが幸せに暮らすことが一番大事であって、孫はいなくても構わない」と言われています。私には兄が一人いて、結婚して両親と一緒に住んでいますが、兄が結婚する時も、お相手が姉妹だったので、「もし養子に入って欲しいと言われたら、それでも構わない」と言っていたくらいです。うちは特別自由というか、本人たちの幸せが大事であり、自分たちのやりたいようにやれば良い、家に縛られる必要は全くないという意識が強かったので、余計に義実家の考えが理解できません。
今考えていることを思いつくまま書いたので、長文乱文で申し訳ありません。
跡を継ぐということについて、みなさんはどうお考えでしょうか。継ぐことの意味、メリットやデメリットなど、何でも良いのでご意見いただけたら幸いです。
もちろん、嫁に行ったのだから、郷に入れば郷に従えというのはごもっともで、そういう視点でのご回答は今回はご遠慮願いたいと思います、すみません。あくまで跡を継ぐとはどういう意味があるのかについてご意見お聞かせください。
よろしくお願いいたします。
お礼
ご回答ありがとうございます。 「きゅうせき」という風に呼んでいましたが。 傷跡ってことかもしれません。 参考になりました。