only for it to be …
NHK実践ビジネス英語2017年10月号Lesson 13(2)のUedaさんの台詞に、”only for it to be eventually thrown away”という表現が出てきます。一見するとto-不定詞にfor主語がついた形ですが、テキストを探しても同様の表現は他に見つかりませんでした。
It must depress farmers to grow something only for it to be eventually thrown away.
「農作物を育てても、結局は捨てられるだけというのは、生産者を落胆させるに違いありませんね。」
[質問] ここで使われている”it”は、漠然と状況を示しているのでしょうか?口調がいいですから単なる言い回しで”only for it to be”と言っているのかもしれませんが、形式主語の”it”というよりは、主節の状況を表しているように思えます。テキスト例文なら”something”と取れますし、下記のサッカー記事では”found the net”という状況とも取れます。
この表現に関して、Web検索してみました。
(1) Only for it to be:
Web検索で”only for it to be”を探すと、次のサイトで30例文が出てきました。
https://ludwig.guru/s/only+for+it+to+be
その中で一番多い使われ方は、サッカーのオフサイドの場面でした。1例を挙げると、
The Colombian striker was a constant threat and finally found the net with minutes remaining, only for it to be ruled out for offside. BBC
この表現” only for it to be ruled out for offside”は、どうやらオフサイドの場面を表す定番のようですね。残り数分で相手ゴールを捉えたと思い大歓声。しかし、オフサイドの旗が上がり、サポーターのため息が聞こえてきそうです。他の例文も含め、”only for it to be done”と受動態表現が一般的で、どうやら、「骨折り損のくたびれ儲け」といった場面での使用が多いようでした。最も、「予想と逆のことが起きる」ので、悪い事態を予想していた場合には、安堵する事態になる「杞憂に過ぎなかった」という場合もあるようです。
(2) For it to be:
さらに、”only”を外して”for it to be”で検索してみたら、Yahoo知恵袋Q&Aで次の例文が見つかりました。
I will need your response by the end of this month for it to be included in the article.
「それをこのarticleに含ませるためには、あなたの返事が今月末までに必要です。」
副詞onlyがないだけで随分感じが変わりますね。ここまでくると、参考書に出てくるfor主語+to-不定詞の副詞的用法「主語が…するために」に近い気がしますね。
(3) Only to (do):
では、”for it”を省いて、”only to (do)”ではどうどうしょうか?
関西外国語大学教授 岡田伸夫が英文法をQ&A方式で教えているサイトです。
無断転載禁止とありますから、次を参考に!
https://www.biseisha.co.jp/lab/qa/59
Q:only to不定詞はどのような意味を表すのですか。
A:only to不定詞の意味から。結果を表すと言われていますが、どんな結果でもいいというわけではなく、通例、人を失望させたり、驚かせたり、不快にさせたりする結果を表します。結果を表す(only) to不定詞の形の上の特徴の一つは必ず文末に現れるということです。
この点、文頭にも文末にも表れることのできる目的を表すto不定詞とは違います。
結果を表すto不定詞の前にはコンマが使われることが多いですが、使われない場合もあります。
なお、onlyが省略される例もあります。
こうして見てくると、”for it”は省略可能のようですから、「気にするな」が正解のようですが、そう言われるとますます、何を指しているのか、また、文法上はのどう位置づけられるのか知りたくなります。宜しくお願いします。
Ueda: Well, that's just plain obscene. It must depress farmers to grow something only for it to be eventually thrown away. @2017年10月L13(2)
※OKWAVEより補足:テーマ「実践ビジネス英語」から投稿された質問です。
お礼
なるほど。抜きつけや切り下ろしという技術があるのですか。 回答、ありがとうございます。