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筋萎縮性側索硬化症(ALS)での動物モデル

筋萎縮性側索硬化症(ALS)での 動物モデルとしてmSOD1-transgenic mouseをしばしば使用しますが、 一方で、ALSの動物モデルとして適切なのか?という 疑問を聞きます。 ALSにおける家族性ALSの割合が10%で そのうちmSOD1-Tgマウスはさらに限られる訳なので、 大部分である孤発性ALSでの病態を代表していない というためかと考えますが、、、、 モデルとして多くの論文で利用されており、 病態の一部を説明するには有用と思うのですが、 実際はどう捉えるといいのでしょう?

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  • larme001
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回答No.1

筋萎縮性側索硬化症(ALS)でのmSOD-tgマウスの位置づけについて詳しくはないですが、一般論として述べますと、そもそもsporadicな疾患のモデルマウスが存在するのかというと難しいのではないかと思います。直接的に関わっていなくても発病との関連性にかなり相関性がある遺伝子というものもありますが、そういうものもでのモデルという場合であっても結局それがどのように関与しているかがはっきりしていないのであればモデルとしてどこまでが妥当かという評価は難しいでしょう。  ただ、一般的に臨床データの統計と疾患の明らかな関連性が見られてかつ、その遺伝子のノックアウトやトランスジェニックマウスを作製した時に類似の表現型が現れたらある程度の範囲ではモデルになるといってもいいのではないでしょうか?もちろんそれがすべての病態を反映している保証はないですが、少なくとも同じような表現型を示すのですから疾患に関与する異常は同じ様な機構に関わっている可能性は高いでしょう。ただ、もちろんそれだけで全てが言えるわけではないでしょうからあくまで(1)遺伝学的にはっきりした条件下である一定の疾患様のフェノタイプを示すモデルがあり、(2)それにおいて特定の条件下でどのようなことが見られたか、ということをノベルに過ぎないのかと思います。一つの論文で言えるのはその程度のことで、それが積み重なって一定の臨床における知見と組み合わさってこればある程度の一般性は出てくるかもしれません。つまり、マウスモデルはあくまでモデルであって、マウスでそうなったからといって結局人のしかも患者にどこまで有効でどこまでが違うということを議論することは、たとえ遺伝性のその10%以下のものに限定して考えたからといって何とも言えないのです。  逆に言うと、そもそも疾患なんてのはある表現型をまとめてそういうふうに定義しているだけであって、それが機構として全く同じかどうかなんて蓋を開けてみなければわからんでしょう。最近のエキソーム解析で特に神経性疾患とかについては色々な原因遺伝子と思われるものが出てきましたが、それらが全く同じ作用かどうかだってわからないものもおおいですよ。ただ、似ているなら同じ様な機構が末端でおかしくなっているハズというのは必ずしも的外れではありませんよね。でもやっぱり、マウスモデルでは有効だけど、臨床試験では全く効果がないなんて薬とかなんてのはゴマンとあるでしょうに。