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使用済み核燃料について
使用後も崩壊熱と言うものが出るそうですが。 常温まで冷却するのにどれ位時間がかかるのでしょうか。 又冷却水から出すとどれ位の温度になるのでしょうか。
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使用前核燃料は1トン当たりの放射線は1キュリー程度で、使用済み核燃料は、直後で数億キュリー、1年保管で数千万キュリー、10年保管で数百万キュリー程度になります。なお、1キュリーは約370億ベクレルです。 10年保管後でも溶解する危険性があるため、最終処分前に30年くらいは冷却しながら保管する必要があります。これは、中間貯蔵などと呼ばれます。それには、冷却プールで冷却水を回し続ける湿式と、空冷可能な金属容器に密封保管する乾式があります。 使用前核燃料は、TV報道などで見られるように、間近でも作業できる程度の放射線量です。しかし、使用済み核燃料では、崩壊熱等による溶解を防止するのに数十年ということであって、その程度の期間では人間が近寄れるような放射線量までは低下しません。 そのため、ワンスルーで最終処分する場合には、最終処分場について、最低でも万年単位での安全を期す必要があります。高濃度核廃棄物の種類や状況によっては、安全になるまで数億年を要することもあります。 現時点では、再処理に含まれる放射性物質の放射能無力化技術(元素転換等)と、安全を期待できる最終処分(安定な地層の探査等)の二つの方法それぞれで、模索が続いています。
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- ninoue
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次等を参照下さい。 http://blog.livedoor.jp/xcrex/tag/%E5%B4%A9%E5%A3%8A%E7%86%B1 崩壊熱 ==> http://mitnse.com/2011/03/16/a-primer-on-spent-fuel-pools/ http://mitnse.com/2011/03/16/what-is-decay-heat/ http://rpg.jaea.go.jp/else/rpd/annual_report/pdf64/No64-4.pdf 崩壊熱 100万KWの原発は熱効率30%前後で熱出力は300万KW程度あります。 3番目の資料図2を見ると以下のような崩壊熱が出る事が分ります。 約1時間/1月/2年?後に 1%/ 0.1% /0.01% = 30000/3000/300KW 核燃料をどの程度使用したかで、核分裂生成物の成分割合がかなり変ってくるので少しは崩壊熱の変化割合も変ってくるでしょうが、数年間は水で冷却を続ける必要がある事になります。 冷却水が絶たれてしまうと水は沸騰したりして燃料棒が空気中に露出し、空気の自然冷却では過熱が続きケースが高熱化、酸化し核残留物が気化拡散したりして大事故になります。 なお上記は制御棒が正常に働き原子炉の稼動が正常に停止した場合の話です。 地震動が酷くて制御棒の停止動作が正常に働かなかった場合は、極端な場合は300万KWの数%?のウランの核分裂連続反応の熱が発生し続け、瞬く間に過熱し大量の放射能放出の過酷事故発生に至ります。 また水冷システムの安定した動作が確保出来ない場合の危険性をなるべく減らす為に、水冷は出来るだけ短い期間に止め、貯蔵核燃料間の間隔を取り、最悪自然空冷でも危険が発生しないような空冷システムを採用する事も考えられています。 http://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/08929880309006#preview Reducing the Hazards from Stored Spent Power-Reactor Fuel in the United States その他には例えば次のようにサーチして調べて下さい。 使用済み核燃料 水冷 空気冷却 OR 空冷 使用済み核燃料 水冷 空気冷却 OR 空冷 冷却期間 ==> http://www.iotuy.com/archives/8944 使用済み核燃料の冷却期間は30~40年ですが、使用中核燃料の冷却期間はそれよりは… 使用済み核燃料の冷却期間は30~40年ですが、使用中核燃料の冷却期間はそれよりは長いと思いますが、何年位になるのでしょうか。また、冷却中にポンプが停止したらどのくらいで危険なレベルになるのでしょうか。
- tetsumyi
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使用済み核燃料には多くの半減期を持った元素が含まれますから、発熱量は徐々に下がりますが年千年、何万年も熱を出し続けます。 熱を出し続けると言うことは、冷やせば常温近くまで温度は下がりますが、冷やさなければ温度は上がり続けると言うことです。 冷却水から取り出すと空気である程度は熱を逃がしますが、取り出してすぐでは数千度以上にはなるでしょうから容器が溶け出して保管できません。 温度と同時に恐ろしいのは、使用済み燃料が人が近付くことも出来ないほどの放射線を出し続けることです。 だから、水の中で冷却を続けると同時に放射線が外部に出ないようにしています。 10年程度水中で冷やし続けると、大型の分厚い鉄板で放熱板の付いた容器で保管すれば空冷で100℃以下になるようです。 燃料棒を取り出すときも燃料プールの水中で専用容器に入れて、この水が入った容器のままで移動します。 こんな物を近所に持て来られたら危なくてしょうがないので、使用済み核燃料を保管する場所として認める地域なんかあるはずがありません。
お礼
ご回答有難うございます。 10年経っても100度もあるのですか。 アメリカの火星探査機の電力は2.5キロワットの原子力電池を搭載しているそうです。 あれも崩壊熱を熱電発電素子で電力を得ていると聞きましたがその様な発電システムは考えてもいいのではないかと素人ながら考えます。 参考になりました。 有難うございました。
お礼
とてつもない放射線と熱が長期間出ているのですね。 前のご回答者さんにもお礼で述べたのですが崩壊熱を電気に変える熱電発電と言う形で原発とは違う発電システムを考える事は出来ないものでしょうか。 放射性物質の無力化技術と言うものが研究されているとは知りませんでした。 有難うございました。