使用前核燃料は1トン当たりの放射線は1キュリー程度で、使用済み核燃料は、直後で数億キュリー、1年保管で数千万キュリー、10年保管で数百万キュリー程度になります。なお、1キュリーは約370億ベクレルです。
10年保管後でも溶解する危険性があるため、最終処分前に30年くらいは冷却しながら保管する必要があります。これは、中間貯蔵などと呼ばれます。それには、冷却プールで冷却水を回し続ける湿式と、空冷可能な金属容器に密封保管する乾式があります。
使用前核燃料は、TV報道などで見られるように、間近でも作業できる程度の放射線量です。しかし、使用済み核燃料では、崩壊熱等による溶解を防止するのに数十年ということであって、その程度の期間では人間が近寄れるような放射線量までは低下しません。
そのため、ワンスルーで最終処分する場合には、最終処分場について、最低でも万年単位での安全を期す必要があります。高濃度核廃棄物の種類や状況によっては、安全になるまで数億年を要することもあります。
現時点では、再処理に含まれる放射性物質の放射能無力化技術(元素転換等)と、安全を期待できる最終処分(安定な地層の探査等)の二つの方法それぞれで、模索が続いています。
お礼
とてつもない放射線と熱が長期間出ているのですね。 前のご回答者さんにもお礼で述べたのですが崩壊熱を電気に変える熱電発電と言う形で原発とは違う発電システムを考える事は出来ないものでしょうか。 放射性物質の無力化技術と言うものが研究されているとは知りませんでした。 有難うございました。