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祭事の「ごくみ役」って何ですか?
私の地区では、伝統行事としての祭りが毎年春に行われています。祭り当番の家(トウヤ)では、長老の方に「ごくみ役」という立会人(?)をお願いするきまりだそうです。ところで、この「ごくみ」について、由来などをご存知でしたら、ご教示お願いします。
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推測ですけれども、「ごくみ」というのは「御供見」ということではないかと思います。 「御供(ごく)」というのは、どの日本語大辞典にも載っていませんが、古い民俗では割と全国的に広く口承してきた言葉で、文字どおり神仏にお供えする米やご飯、餅などの総称です。仏にお供えするご飯を「オゴク(お御供)」と呼ぶ地方は少し昔まで多くありましたし、人が亡くなった際にすぐに炊くご飯(あの箸を立てるやつです)を称して「ハヤゴク(早御供)」という地方もありました。 このゴクは、神事であれ仏事であれ、俗なる人間と聖なる存在を取り結ぶ重要なもので、その祭事における中心的存在、ということになります。このゴクが、その地域で伝承されてきた作法に従って適切に作られ供えられるかどうか、というポイントにその祭事の成否がかかっていることになるわけです。 (例えば、ゴクを作るに先だって当番の者が潔斎したり断食する必要があるかも知れませんし、作り方や供え方にも、大抵の場合には複雑で儀礼的な作法が決まっているものです) 多くの地方ではその祭事は当番(輪番)制でとりしきられますので、年ごとに当番である「トウヤ(当屋)」が入れ替わります。場合によっては若く不慣れなトウヤもありますので、必然的に全体の流れを統括して助言する、いわばお目付役の長老が必要になるわけです。 ご質問者の地域では、既に恐らく「ゴク」という言葉は失われているのでしょうが、それでもまだこの長老のことを、「ゴクを見守る役」という意味で「ゴクミ(御供見)役」と言うのではないでしょうか。