石油化学工業では、石油を精製して得たナフサを熱分解してエチレン(ガス)をつくり、塩(しお)を電気分解して塩素ガスをつくり、二つのガスを反応(エチレンに塩素を付加)させて1,2-ジクロロエタンをつくり、これを熱分解して塩化ビニルモノマー(別名:クロロエチレン)をつくり、塩化ビニルモノマーを重合させてポリ塩化ビニル(樹脂)をつくっています。
実験室で石油と塩から出発してポリ塩化ビニルまでつくれるかを考えると、まず、石油が雑多な成分の混合物であることから、エチレンガスをつくるところで失敗すると思います。塩素ガスをつくるのは比較的簡単ですが、毒ガスですので、扱いが難しいです。さらに、ガスとガスとを反応させる操作は、温度や圧力といった反応条件の管理が難しいです。
途中を飛ばして、実験室で塩化ビニルモノマーを重合させてポリ塩化ビニル(樹脂)をつくれるかを考えると、まず、塩化ビニルモノマーは、液化ガスとして購入しますが、明確な発がん性があるため、防毒マスクなどの全身の保護具の使用が不可欠です。プロでないと扱えないです。さらに、重合には、懸濁重合、乳化重合又は塊状重合という技術が用いられますが、いずれも専門的な設備が必要になります。
ポリ塩化ビニル(樹脂)の自作は、あきらめてください。
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