歴史は過去の史実であり、
それは記録や遺跡などによる以外、正確に知るすべはありません。
しかし、その記録も執筆者の主観や記憶違いなどにより、
必ずしも正しいとは言えないところが見受けられます。
今現在はそれが正しい史実だとされていても、
新しい発見があればそれが否定される可能性もあります。
例えば、『桶狭間の戦い』は中学・高校の教科書では桶狭間での戦闘と
なっており、大学の一般教養でもそう教えられます。
しかし、実際の場所は田楽狭間である可能性が高く、
『信長公記』でも戦闘が行われた場所は田楽狭間と記されています。
もちろん、歴史学者の間でも両方の説があって、
どちらが正しいのかは未だに判らないままです。
歴史の専門書か古文献以外はすべてデタラメという意見がありますが、
専門書でも公正に記されているとは限りません。
小説はそれ自体が虚構(フィクション)ですから、
小説に書かれていることはデタラメだということ自体おかしな話ですね。
さて、そういうわけで、
歴史の信憑性をどのレベルで考えるかは別にして、
織田信長という歴史上の人物にご興味を持たれたのであれば、
まず信長の人生の輪郭を掴むようにされては如何でしょうか。
アウトラインを掴んだら皿に細かな部分の知識を肉付けするようにします。
概論を勉強してから各論に進む、といった具合ですね。
その点では、ANo.1の回答者さんのおっしゃる『国盗り物語』は
大変読みやすくて更に関心が高まることでしょう。
同書は4巻構成で前2巻は斉藤道山、後2巻は織田信長が主人公ですが、
私は第1巻からお読みになることをお勧めします。
ところで、波乱万丈の織田信長の歴史を紐解くとき、
重要になってくるのがその家臣の武将たちです。
彼らの信長との係わり合いはさまざまで、
彼らの目から見た信長像を知ることも
信長研究には欠かせないものだと思います。
羽柴秀吉、柴田勝家、丹羽長秀、滝川一益、明智光秀・・・
彼らの視点から見た信長像を知ることで、
また少し違った織田信長を感じられるようになると思います。
私自身は、『国盗り物語』で信長と出会って興味を持ち、
『織田信長』(山岡荘八)、『信長公記』(太田牛一)、『反逆』(遠藤周作)、
『織田信長合戦全録』(谷口克弘)などを読みました。
宣教師ルイス・フロイスの著した『日本史』の中にも
信長に関する記述がありますね。
外国人宣教師の視点から書かれた移植の歴史的資料ですが、
その中にフロイスが信長に面会した時のことが書かれてあり、
驚くようなエピソードも含まれていて面白いですよ。
以上、ご参考になれば幸いです。