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肉の水漬けで柔らかくなる理由と肉汁の流出について
- 肉を重曹と塩を溶かした水に漬けると、重曹と塩の力によって肉の構造が変化し柔らかくなるだけでなく、肉が水を吸って水分量が増えて柔らかくなります。
- 肉を水に漬けても肉汁や旨味成分は流出しません。牛すじやレバーの臭みを抜くための水漬けも、肉の味が逃げることを防ぐために短時間で行われます。
- 肉のタンパク質の中には水溶性の物がありますが、これはアクとして取り除かれる成分です。水に漬けても旨味は逃げずに、アクだけが溶け出すと言われています。
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>>濃い調味料で下味を漬ける時のように浸透圧によって細胞内のエキスが流出する心配がありますよね? これは大丈夫です。浸透圧の関係で細胞から出ていくのは「水」です。 2%以上の食塩水につけると粘度が増します。これは筋原線維タンパクの一つが溶け出しておこる現象です。(ミオシンか何かだったはず)つみれなどを作るときこの原理が利用されます。 ただ食塩水につけた後その食塩水を捨てるのは少しもったいない気もします。(肉と食塩水が接した部分の粘度が増し、そこまで栄養は流出しないのかもしれませんね) >>なぜか牛肉は当てはまらないようですが 牛肉は中まで火を通さずとも食べられますよね?(ミディアムレアとか・レアとか) しかし調味料などの液体に長い間つけ置くと、細胞の中ではなくその隙間に調味料だけでなく病原菌も入ってきます。つまり中まで火を通す必要が出てくるため、肉の味を損なう可能性があるからでは? ただ肉を柔らかくするのにただの食塩水というのは微妙ですね、つみれを作るなら別ですが、肉の保水性を損なうでしょう。
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- sweet_water
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>>水溶性のタンパク質が溶け出すということは考えなくても良いのでしょうか 基本的にお肉の水溶性タンパク質は細胞質内に存在します。ですから問題ありません。 塩溶性の筋原線維タンパク質がある程度溶出するには食塩水でいうと通常2%以上の塩分濃度が必要になります。 0.9%では問題になりません。 日本酒やワイン、お酢などは浸透圧が細胞液より高く細胞が破裂するようなことはなく、比較的早い段階で細胞を変性させ必要以上の水分流出も起きないため、浸透圧の違いは考慮しなくてもよいです。 ご参考までに。
補足
補足への回答ありがとうございます。 水に漬けるときだけ細胞の破裂を考えれば良いのですね。スッキリしました!ありがとうございます。言われてみれば、水溶性タンパク質もコラーゲンの壁に包まれているので肉の断面以外からは流出しにくいですよね。 もしお時間がございましたらもう少し質問にお付き合い願いたいのですが・・ 手持ちの本に『鶏肉や豚肉を3~5%の食塩水に漬けこみ一昼夜置いておくと、塩溶性のタンパク質が溶解して柔らかく調理できる』とあります。なぜか牛肉は当てはまらないようですが、この方法だと、濃い調味料で下味を漬ける時のように浸透圧によって細胞内のエキスが流出する心配がありますよね?エキスは流出するけれども、タンパク質が溶けるから柔らかく感じるのでしょうか?はたまた、水溶性タンパク質のように細胞内のエキスはコラーゲンに守られているから流出しないのでしょうか?とすれば、一般的に言われている『長時間の下味の漬け込みは浸透圧で肉の旨味が追い出される』という話と矛盾しますよね。浸透圧というより、拡散の話なのでしょうか。
- sweet_water
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一般的に肉が柔らくなる原理は主に3つあります。 1.タンパク質の分解 タンパク質をより分子量の小さなアミノ酸へと変えます。 これには通常いくつかの酵素(を含有する食品)を利用します。果物・しょうが・麹などがよく利用されます。重曹は酵素を有しませんが、タンパク質を分解する力があります。 よって質問文のお肉が柔らかくなる原理はこれに当たります。 2.保水性を高める 調理過程で肉に含まれる水分量が低下することによっても固くなります。 ここで肉のpH値を下げることによって保水性を高めます。通常日本酒やワイン、お酢などが使われます。 3.スジを切る これは説明するまでもないでしょう。非常に密集した刃を肉に突き立てる道具もあります。 >>肉を水に漬けると肉汁というか旨味成分は流出しないのでしょうか? 普通の水や重曹水だとこれが起こります。人間の細胞もそうですが、お肉の細胞は半透膜の性質を持っています。簡単に言うと膜を隔てて存在する物質のうち、より濃度(モル濃度)の高い方へ水が移動する性質があります。 細胞の中には様々な物質(粒子)が存在しています。一方、普通の水は多少にミネラル分などは解けていますが濃度は細胞内液より低いです。このため、細胞膜を隔てて接する両者の濃度を均一にしようとする力(浸透圧)が働き、細胞内にどんどん水が入ってきます。 そうすると細胞が破裂し、壊れてしまうため栄養やうまみも流出しています。 これを防ぐために食塩(水溶液中でのモル濃度が他の物質に比べて高くなるためよく用いられる)を水に溶かして、細胞と近いモル濃度(質量ではなく粒子数による比率)の液体にし、細胞膜での水のやり取りを最小限にしようという工夫です。 生理食塩水の要領ですね。 簡単にまとめると通常の水や重曹水ではお肉の細胞が壊れてしまうので、食塩を混ぜてそれを防いでいるのです。普通の水であれば0.9%の食塩を溶かすとよいです。重曹水の場合もこれと同等の量で大丈夫です。 日本酒やワイン等を使う場合はほとんど気にしなくて用と思われます。 ご参考までに。
補足
詳しい回答ありがとうございます。なるほど、浸透圧を考慮しての塩なのですね。では、水溶性のタンパク質が溶け出すということは考えなくても良いのでしょうか?また、塩溶性のタンパク質は添加する塩によって溶けたりしないのですか? >日本酒やワイン等を使う場合はほとんど気にしなくて用と思われます。 なぜでしょうか??
補足
流出するのは「水」なのですね。この水に中に旨味も含まれると思っていました。細胞膜が機能していれば旨味は逃げないということですかね。漬け物は長時間塩に漬けることによって細胞膜の機能を低下させ、そこから塩の味を入れるそうです。肉も長時間漬けすぎるとこのような現象が起きそうですね。牛肉についての話もなるほど納得です。 塩とタンパク質について、塩は肉の等電点を下げる作用があるそうです。これによって保水力が向上されるとの事・・そのページにはある種のたんぱく質の溶解についても記載されてありました。等電点の話になるともはや素人の域ではなさそうです。ですが折角ここでお肉についてとても詳しい方の回答を頂けたので、もしこの等電点についてもご存じであれば解説していただけると嬉しいです。お時間ございましたらよろしくお願いします。