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原発のコストが火力より安いのは税金投入の結果では?

原発の発電コストは火力発電より大幅に安いと言われています。現在大飯3,4号を除いて日本の原発は全て停止(火力はフル可動)しているので、電力各社は大赤字です。 しかし今回の福島原発事故の処理に要する費用は素人目にも数十兆円です(ほとんど税金では?)。幾ら津波対策をしても想定外の地震、津波がくれば福島の二の前です。事故処理以外にも核燃料再処理や、放射性廃棄物処理も税金で行っているのでは?? 私は原発の発電コストが火力より安いというのは原発に税金を投入している結果だとしか思えません。 発電コストに詳しい方本当に原発は安いのかどうか教えて下さい。

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  • sync-mag
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回答No.7

 発電コストの問題は本来技術的な話のはずなのに政治党派の争いに翻訳する人が多く、どうしても意見が一致しませんね。  以下、素人にすぎませんがわたしにわかる範囲で回答します。お断りしておきますが、数字が頻出してかなり面倒です。これでもずいぶん割愛したんですけど。ついでに長文です。これはわたしの頭の悪さです。ごめんなさい、とあやまっておきます。  議論の前提に、2008年版エネルギー白書の数字を上げます。それによると、1kWh(1時間に1kW)あたりの発電単価は水力で8.2~13.3円(設備利用率45%と仮定)、石油10.0~17.3円(30~80%)、LNG5.8~7.1円(60~80%)、原子力4.8~6.2円(80~85%)、地熱8~22円(80~90%)、太陽光46円(12%)、風力10~14円(24~31%)となっています。  基にしているのは電気事業連合会から提出された資料だそうです。これを見るかぎりでは「原発は安価」です。  しかし、これには多くの問題があります。  1)原発の稼働率が高すぎる。08年の実績では57%。現状で大飯以外に止まっていることを思えば、80%を超える稼働率などSFです。ほかの電源は08年の段階でもそこまでかけ離れていないのですから、これは意図的なものでしょう。  2)廃炉費用、核廃棄物の処理費用が入っていない。19兆円と言われるバックエンド費用はすでに一部が電気料金に反映されながら、このコスト計算では考慮されていません。ついでに、本当に19兆円で済むと思っている人はだれもいないでしょう。  3)事故・災害時の保険も除外。もっとも、担保されていた1200億円をはるかに越える事故が起きてしまった今となっては意味のないことでしょうが。総じて、このコスト計算には環境コストと言われるものがいっさい考慮されていません。  4)研究開発・立地対策費も除外。ほかの発電システムと違って原発はこれが桁違いに大きいのですから、外したのでは意味がありません。総額で4300億円、うち立地対策費は1800億円に上ります。  5)九電力会社の合計で年間1000億円もの広告費も除外。これも原発にこだわらなければここまでの金額は必要ないのですから、原発のコストでしょう。  6)公表されない献金・寄付金が除外。公表されていないのですから試算に含まれるはずもありませんが、自民党に対する個人献金の7割超が電力関連だった事実など考えれば、かなりの額面であることはまちがいありません。  いっぽうで他の電源についても疑問があります。再生可能エネルギーは論じ始めると切りがないので棚上げしますが、LNGの輸入価格は日本が15.19$/Mbtuであるのに対し、EU平均は9.4$と極端な差があります。あきらかな日本のエネルギー政策の失敗でしょう。  理由はいろいろ考えられますが、そのひとつに「原発に執着していたからLNGを軽視していた」という理由もあるのではないでしょうか。  福島第一の事故を受けて政府は発電コストを見直し、昨年12月にエネルギー・環境会議が発表しました。08年からの変更点は、A)化石燃料の値上がりを反映。B)福島第一の事故対策費を5.7兆円として計上。目安として対策費が1兆円上がるごとに単価は0.1円上がります。C)立地対策費を計上。D)追加の安全対策費を加算。E)原発稼働率70%で計算。まだ高すぎますけどね。F)除染・追加の賠償は計算不能として算定せず。  結果は、2030年に1kWhあたり原発が最低で8.9円、石炭10.8~11.0円、LNG10.9~11.4円、石油38.9~41.9円、風力8.8~17.3円、太陽光12.1~26.4円です。いろいろと異論はあるようですが、まだ「原発は安価」と言える数字です。  ついでに、この数字をもとにして「2030年に原発をゼロにすると電気代が2倍になる」と盛んに言われています。しかし、じつは原発比率25%でも1.7倍になるそうです。専門家によっては「変わらない」と主張している人もいます。  発電単価に対する主要な異論として、大島堅一さんは『原発のコスト』(2011)のなかで事故前の資料を現状に当てはめると、原発を10.25円、火力を9.91円、水力7.19円と計算し、すでに原発のほうが高いと結論づけています。  これに加えられる事故のコストはIAEAの目標である10万炉年分の1なら0.006円ですが、福島第一の事故を踏まえた日本の実績はおよそ500炉年分の1であり、1.2円になります。つまり、一つの原子炉が500年稼働すると事故を起こすと仮定しています。500年に一回事故が起こる、ではないので注意して下さい。  ただし、この大島さんの試算についても批判があり、日本エネルギー経済研究所は原発を7.2円、火力を10.2円と計算し、地球環境産業技術研究機構は原発を8~13円、石炭を8~12円、LNGを10~14円としています。  もっとも、技術的に確立されていない廃炉、廃棄物の処分が控えていることを思えば、いまの「安価」という数字にどれだけの意味があるのか疑問です。しかし、なにしろいくらかかるのか目処が立たないのですから、現状で計算することもできません。当然、(またしても)これに立地対策等の行政的なコストが追加されていきますから、なおさら正確な額面はわかりません。  これで「原発は安価」と言われてもねえ、というのが正直な感想です。  昨年発表された試算についての報道で、「福島第一原発と同規模の事故が40年に1度起きるのに備え」という説明を見つけ、わたしは「40年に一度覚悟しなければならないのか」と驚き呆れました。  福島第一の事故は万単位の日本人の生活を破壊しました。直接の被害をこうむらなくても風評被害で収入が激減した人や、生活環境の除染に追われる人たちはどれだけいるのでしょう。震災を含めての数字ですが、福島県内避難者は9万7599人、県外避難者は6万2756人に上ります。この内の少なからざる人たちは生きているあいだに帰還できないでしょう。事故は日本の故郷の一部をぶち壊しました。  この代償が銭金で埋め合わせできるはずがない。――そうわたしは考えています。たとえ発電単価がいくら安かろうと、二度と事故はないと信じさせてくれないかぎり、原発はOUTです。  ご質問に戻って、「原発は安価」はとりあえずそのとおりです。ただし、ご質問のとおり国の支援があることが前提です。  アメリカでスリーマイル島の事故以後、原発の新設がいまだに実現してないことからもわかるとおり、国策として国家の寄与、支援がないかぎり、純然たる営利事業としてはすでに成立しません。上がりつづける安全対策費、新設の困難さ(住民の同意と建設費の膨張)、核廃棄物の処理問題、事故がもたらす被害などを考えれば、「安全神話」をいまだに信じる夢想家以外、原発はビジネスではない、と見ているでしょう。少なくとも市場はそう判断すると思いますよ。

mandegansu
質問者

お礼

回答有難うございます。 >ご質問に戻って、「原発は安価」はとりあえずそのとおりです。ただし、ご質問のとおり国の支援があることが前提です。アメリカでスリーマイル島の事故以後、原発の新設がいまだに実現してないことからもわかるとおり、国策として国家の寄与、支援がないかぎり、純然たる営利事業としてはすでに成立しません。 納得です。純粋な民間企業では原発は無理なのですね。

その他の回答 (6)

  • jkpawapuro
  • ベストアンサー率26% (816/3045)
回答No.6

原発の採算性について、福島原発事故はコストに含まれていません。 核燃料再処理費用や放射性は器物処理は、机上の計算が多分に含まれますが電気料金に含まれていれプールされています。 (一時これを福島事故処理賠償費用に使ってはという意見もありました。) 二つの問題があって、まず福島の事故は1,000年に一度のケースですよね。 これ1,000年に割ってコスト計上したところで、石油火力よりは明らかに安いですよ。 また原発本来の設計通りの安全対策を施し、さらに過酷事故対策を組んでいれば防げた事故なんですよね。 現在判明している範囲では100%人災なので。 世界中で本当に原発がコストが高いのに原発が導入されていると思いますか? 発電コストについていえば、本当に原子炉を解体したときいくらかかるか、最終処分場を作ったらいくらかかるか、これ実際にやってみないとわからない点があります。 ですが現状でわかっている範囲では明らかに火力が高いですよ。 余談ですが、福島原発に本当に人災以外の地震や津波による深刻なダメージがないかは気になっています。 ただただ圧倒的な政治力のもとに東電が延命しやりたい放題を続けているのか、福島原発の致命的な損害を隠すために東電が延命しているのか測りかねているからです。 本気で原発に疑問をもっている方が居るならくだらない捏造に励むより真実を掘り起こすべく動いてくれるとありがたいですね。

mandegansu
質問者

お礼

回答有難うございます。

  • SPROCKETER
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回答No.5

 原発の発電コストが見掛け上は安価に思えるのは、使用済み核廃棄物の処理費用、原発事故後の補償費用や災害・事故対策費用などの安全対策に必要な費用を除外して計算しているからで、全てを盛り込んで計算すれば、火力発電よりも遥かに高額なコストになるのは間違いないでしょう。  しかし、それらの費用は国が負担してくれるので、電力会社は発電利益だけを考えれば済むのだと信じられて来た結果の事故が、福島第一原発事故だったわけで、原発は税金でまかなわれている国営発電所と考えた方が適切でしょう。  実際、国の負担が無ければ、廃棄物処理費用や事故処理費用が膨大な原発に手を出す電力会社はほとんど無かったでしょう。電力会社にとってもハイリスクな事業なのが原発だったわけです。  福島第一原発事故の処理費用や補償費用は、すでに電力会社が負担出来る限界を遥かに超えています。国が負担するという約束で原発を導入した電力会社ばかりで、電力会社が全面的な負担を強いられるのであれば、原発事業から撤退する電力会社が続出する結果になるでしょう。  発電コスト以前に、原発が必要とされた原因は、電力が昼も夜も事実上は無尽蔵に使用出来るという産業界の要望が実現出来たからだと思います。  原発は一日中連続運転を続けなければならない構造になっていますから、昼間の電力は不足しても、夜間電力は大幅に余る結果になり、深夜営業が必要とされる産業には無くてはならないものになっています。テレビ、携帯、インターネットの使用が夜間に集中するのも、同じ理由です。  工場が一日中生産を続けるのが可能になり、深夜営業のコンビニが増え、建物のライトアップが流行するのは、原発があるからであって、原発が無くなって夜間電力の消費が厳しくなれば、今までのような電力の無駄遣いは出来なくなります。  夜間電力が大幅に余るという原発の特徴が、産業界には消費が減るはずの夜間営業に未来を託す夢が実現したのです。昼夜逆転の生活習慣が始まる原因を作ったのも原発なのです。  原発のコスト問題よりも、すでに定着した夜間営業の産業界が存続出来るかどうかが原発で決まると言っても過言ではありません。原発が無くなれば、電力節約と二酸化炭素削減の為に夜間の発電量を減らすようになり、夜間営業の産業界は衰退を余儀なくされ、我々の生活習慣も変化を求められるでしょう。

参考URL:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80
mandegansu
質問者

お礼

回答有難うございます。

回答No.4

>幾ら津波対策をしても想定外の地震、津波がくれば福島の二の前です。 について。これは人災です。ある特定の人物に責任をかぶせるのを嫌う日本人の習性から、犯人捜しをしておりませんが、あえて言えば、経営トップのトップとしての責任感の欠如、利益第一主義が原因と思えます。国会事故調の報告が一番まともだと思うので、そのホームページをご紹介いたします。http://www.naiic.jp/ なお、第二次世界大戦で日本が開戦したのは、一部の軍人の性にしておりますが、我々国民が望んで日米戦争を行ったことを忘れてはいけません。政治の事なかれ主義、軍部の出世主義、大新聞の大衆迎合主義が、国民の日米戦争を希求する発端となり、これを推進することになりましたが、当時の報道、情報を見ますと、確かに、日本国民が日米戦争を強く望んだことは確かです。これは、原因を追及して二度と起こさないための検証を省略して、直接、原発反対運動へと進んでいる今日のことと軌を一にしていると思われます。 原発の発電コストが安いか、高いかは、いずれ、現実が証明してくれます。福島原発事故にもかかわらず、原発の建設は続いております。中国などは、自らの低劣な技術を考慮せず、今後、数十基の建設を計画しております。今後も、事故は続くでしょうが、原発を推進した国か、原発を中止した国か、どちらが多くの利益、利便を得るかだと思います。 結果的に、原発を推進した国が経済で勝利を得れば、敗北した国は後を追う以外にないでしょう。いくら安全だ、安全だと言っても、経済で敗北し、飯も食えない、石油もない、エネルギーもないでは、考えを変えざるを得ないと思えます。 逆に、原発を推進した国が、相続く原発事故で、経済的に、人的に疲弊して、敗北すれば、原発を中止した国の考えが正しかったことになります。 我々人類が考え得ることは、森羅万象すべてのほんの一部です。結果のみがすべてを検証します。我々は、謙虚に考え、もっとも良いと思うことを推進するのみです。

mandegansu
質問者

お礼

回答有難うございます。

回答No.3

 原発は無事故で廃炉に至っても、10万年以上もかかる核廃棄物の処理の問題が残っています。このコストなんか計算に入っていません。入っているのなら、その根拠を示して欲しいものです。100年安心の年金も、施行とほぼ同時に破綻してしまいました。欲にまみれた人間の計算力などこの程度のものだと認識すべきです。

mandegansu
質問者

お礼

回答有難うございます。

回答No.2

作っちまった設備使い続ける方が安いと言っているだけ。 でも、原発反対派は作っちまった50基の原発を稼働させずに、減価償却費だけを計上するのが「安い」などと言うから話がかみ合わないんですよ。 「今から新しい原発を造ろう、その理由は、コストが安いからだ!」と言っておる人は見当たらんがね。

mandegansu
質問者

お礼

回答有難うございます。

回答No.1

原発のが高いに決まってます。 それは処理したりリサイクルしたりするコストは入ってないのですから。 それよりも原発が地震か津波で壊れて放射能汚染が始まったらあなたはどうしますか? 原発停止ではなく放射能物質の移動をさせる運動をするか友達と話ししています。

mandegansu
質問者

お礼

回答有難うございます。

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