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新自由主義の復権と政党の活力
- 最近の政党には新自由主義的な要素が見受けられる
- 新自由主義の手法への戻りに対する疑問や懸念がある
- 政党の活力を応援する前に、国の課題や議論の多様性を考える必要がある
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「金融市場と右派経済学者は問題を完全に逆にとらえている。緊縮政策は成長を損なう。信頼回復どころか負の連鎖が始まる。」 ジョセフ・E・スティグリッツ ほんの数年前、強力なイデオロギー──規制のない自由な市場こそが繁栄への道だとするイデオロギー──が、世界を破滅の瀬戸際に追い込んだ。実際、このイデオロギーが支配していた30年のあいだに、ほとんどのアメリカ人は、所得が年々減少するか、頭打ち状態になるかのどちらかを経験したのである。 私は、金融危機がなんとかしてアメリカ人に(また他国の人びとに)格差の縮小、規制の強化、市場と政府のよりよいバランスの必要性を思い知らせてくれることを願った者の1人だった。悲しいかな、現状はそうなっていない。それどころか、例によってイデオロギーと利益団体に後押しされた右派経済学の復活が、グローバル経済──少なくとも右派経済学の考え方が引き続き幅をきかせている欧米諸国の経済──を再び危険にさらしているのである。 アメリカでのこの右派経済学の復活は、国債のデフォルト(債務不履行)を余儀なくさせる恐れがある。右派は政府の個々の支出プログラムの便益を、それらの便益の費用を賄うために税金を引き上げるコストと慎重に秤にかけるのではなく、大ナタを振るおうとしている。国債残高の増大が容認されなければ、支出は税収の範囲内に抑えざるをえなくなる。その場合、デフォルトを避けるために国債の利払いが優先されることになる。自由市場イデオロギーによって引き起こされた危機が続いている今、政府支出を削減すれば、必然的に景気後退を長引かせることになる。 経験を踏まえれば、アメリカの財政赤字に対する処方はすぐにわかる。景気を刺激することでアメリカを再び成長軌道に乗せる、愚かな戦争を終わらせる、軍事費と医薬品費を抑制する、少なくともきわめて豊かな層に対しては増税を行う、といった政策である。だが、右派はこれらの策はまったく考えていないどころか、企業や富裕層に対するさらなる減税を要求している。アメリカ経済の未来を危険にさらし、社会契約のわずかに残っている部分までズタズタにする投資や、社会的保護に対しては支出の削減を要求している。その一方で、アメリカの金融部門は、以前の破滅を招く気ままなやり方に戻れるよう、規制を逃れて熱心にロビー活動を行っている。 金融市場と右派経済学者は問題を完全に逆にとらえている。緊縮政策が信頼を生み出し、その信頼が成長を生み出すと考えているのである。だが、緊縮政策は成長を損ない、政府の財政ポジションを悪化させる。信頼は損なわれ、下降スパイラルが始まるのである。 繰り返し失敗してきた理論で、もう一度高くつく実験をすることが本当に必要なのだろうか。必要であるはずがないが、それにもかかわらず、われわれがもう一度その実験に耐えねばならない事態がますます到来しそうになっている。ヨーロッパとアメリカのどちらか一方が力強い成長軌道に戻れなかったら、それはグローバル経済にとって不幸なことだ。どちらも戻れなかったら、それは──主要新興市場国が自律的成長を達成していても──悲惨な事態を招くだろう。残念ながら、もっと賢明な人びとが主流にならない限り、それこそが世界が向かっている方向である。
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- gokakukei
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対談 ー 小林よしのり - 中野剛志 小林:わし、橋下徹の「維新の会」は小泉構造改革と同じ流れだから、「どうせまた改革派だろ」のひと言で済むと思っていたんだよ。しかし今は政党政治が混沌とした状態で、自民党も構造改革路線を総括していない。すると国民は橋下徹の新しさに注目してしまう。その影響力を考えると、やはり一度ちゃんと仕分けしておく必要があるね。 中野:「維新の会」の政策は、1990年代から2000年代初頭にかけて流行して失敗した構造改革の焼き直しです。 「維新の会」に集まった60代や70代のブレーンが40代、50代の時から主張し続けてきた政策で、時代遅れも甚だしい。 そのせいで「失われた20年」になったわけですが、たしかに構造改革の総括をしていないから、再びこれが台頭してくるんでしょうね。 小林:彼らの主張は、憲法9条改正や国旗国歌の問題、靖国参拝など、わしが過去に取り組んできたテーマばかり。で、すでに自虐史観を相対化するところまでは成功したわけ。 だから、保守と称する連中がいまだにその話をしていると「まだそれが好きなのか」とウンザリするんだ。 中野:今はそれを、リスクなしで主張できるんですよ。敵が強大だった時には戦わず、先駆者が切り開いた道を勝ち馬に乗って進んでいる。 小林:昔は、河村たかしみたいな南京虐殺否定発言をしたら、袋叩きだったよ。絶対に辞任しなきゃいけなかった。「愛国心を持っている」と言うだけでも叩かれたんだから。ところが今は、愛国心を強調するほうがポピュリズムになっている。だから構造改革を進める時に小泉が保守を取り込むために取った戦法も、靖国神社参拝だった。 中野:靖国参拝をすれば、日本の市場をアメリカに売り飛ばしていいのかという話ですよね。 小泉政権も民主党政権も橋下市長も、「国民に選ばれたのだから、自分の政策はすべて信任された」と言いますが、 有権者は全部の政策に賛成したわけではない。たとえば「自民党にお灸を据える」という意味で民主党に投票した人は、 外国人参政権にまで賛成したわけではないでしょう。 「維新の会」も同じで、「彼らは愛国心が強い」と思って投票した人は、改革路線まで受け入れたわけではない。 数多くの政策を並べたマニフェストを丸ごと支持できる政党はないのですから、政策で選ぶのは無理です。 だから、結局は「この人なら大局的に判断を誤らないだろう」と人品骨柄や政治手法で選ぶしかありません。橋下を「独裁的だ」と批判すると、「政策で判断すべきだ」と反論されますが、これはナンセンスです。 橋下徹ツイッター: 「小林よしのりは、税金で飯は食っていないので中野剛志よりも多少はましかはしらんが、ようは口だけで、何もやっていない奴。二人似た者同士で語り合っていたら良いが、住民が困っていることを何か一つでも解決しろよ。保守だ、国だと偉そうなフレーズは口に出すが、要は暇児(人?)なだけじゃねえか」 「中野剛志もしょうもない思い上がり識者だったか。残念だ。だいたい、年下のくせに面識のない俺を呼び捨てにすんじぇねえよ。 霞が関の官僚で大学の准教授。最悪のタダ飯ぐらいルートだろ。こういう奴らは税金でふんだんな時間を与えられて、朝から晩まで責任のないことをやっている。」 小林よしのり ブログ 「お前こそが勉強しろ!」 ツイッターの中で橋下に「媚びるような連中」が、橋下氏を甘やかしているらしいとした上で、「そういう連中はカスである!」と断じている。「国民が政治家を批判する」際に、敬称を強要されるいわれはないとも書き、橋下徹は 『俺を批判するとは何事だ!』 雑誌対談で批判した橋下氏の大阪都構想についても再論し、「『都』を乱用するのは『尊皇心なきポピュリズム』だとわしは仕分けした」「天皇について、皇室について、お前こそが勉強しろ! とわしは言っているのに、橋下はまだわかってない」「反省する気も勉強する気もないようだ」と厳しく断じている。 橋下氏はツイッターで、小林氏の都構想批判に対し、「もう少し勉強してから批判しろ」(4月27日)と反論していた。小林氏が、勉強するのはそちらの方だと反撃した形だ。 小林氏は、脱原発や「政治家の人格と政策」の論点についても触れている。ブログの終わり近くでは、「橋下徹が 敬称を付けてほしいなら、 わしに会えばよい」とも指摘している。小林氏は4月29日のブログでも「橋下市長が望むなら、 わしは会ってもいいですよ」と提案していた。 橋下氏は5月1日夕現在、ツイッター上では、直接対話の提起を含む小林氏のブログへの明示的な反応は示していないようだ。小林氏の反論がブログに載った4月29日以降も、橋下氏ツイッターには小林氏に批判的な内容が出てくるが、雑誌対談への反論の延長のようだ。 小林氏が提案した橋下氏との直接対話は、実現するのだろうか。
お礼
なるほど!!私はツイッターはやらないので、こういうやりとりは知りませんでした。大変面白いですね。よしりん、色々物議を醸すけど、結構勉強してますよね。参考になりました。ありがとうございました!
- covanonki
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私、『世論』ほど恐ろしいものはないな、と最近つくづく感じています。 サイトやリアル社会でも、いろんな人と議論していると、時折「だってみんなそういうよ。100人いたら90人はそうだ」というような意見と出会うことがよくあります。 「○○もこういっていた」「○○っていう人の意見では」とか。 こちらが、「みんながそういっていたら正しいのか?」とか、「○○という人が言っていることはみんな正しいのか」と詰め寄ると、大体言い返すことは出来ません。 そして、「○○というひと」の、○○に相当する人は、意外とTVなどでもてはやされていて、私から見ればものすごくおかしなことを言っているような人である場合が多い・・・。 人の意見を・・・という言いながら、私が人の意見を引用するのですが、下記動画 http://www.nicovideo.jp/watch/sm18003471 TPPで有名になった中野さんの動画ですが、見て頂きたいのは20分ころから。 私がこの方をご紹介するのは、この部分の中野氏の意見は、まるまんま私の考え方と等しいから。 結局、大衆受けする人間が票を多く獲得し、きれいごとばかり述べ、結局何にもできない。 維新の会については、橋下氏が、一貫して「道州制」つまり、地域に金をよこせ、という理念をベースに政策も、何もかも展開していますから、そういう意味では非常に一貫性があってよいと思っています。 唯、それが国政レベルでも通用する話なのか、というと話は別。大阪のように規模の大きな経済圏は構わないが、じゃあそれがもっと人口や経済の規模の小さな地域でも通用する話なのか?と。どこかピンポイントで大規模な災害が起きたときに、そのやり方でそれをフォローすることが可能なのか、と。 かっこいいのはいい。いうことも立派だ。だけど、それが鳥視的に物事を見た、マクロ的な判断なのか、というと非常に疑問が残るわけです。 今までだって、私が考えて正しいことを言っている、と感じている議員さんはみなつぶされ、表舞台から姿を消しました。 その主な原因は「世論」です。世論に迎合する政党は暴走し、正しい政策を執行している政党の足を引っ張ります。私は新自由主義(ネオリベラリズム)は非常に危険だと思っております。 やはり良いオーケストラを奏でようとしたときに、指揮者は絶対に必要です。
- osaka-girl
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新自由主義で、確実に幸せになれるのは世界を牛耳る大金持ちたちだけです。 おおざっぱにいえば、競争社会でしんどい思いをしていますよね。 そのしんどさが彼らの懐に入る仕組みが、新自由主義なのです。 私には到底賛成できませんが、彼ら金持ちどもはアメリカ政府を使って 圧力をかけてきますので、上手にのらりくらりかわす必要があります。 そのためには本当は、老人議員だけの政党ががんばるとよいのです。 若い議員が、がんばったりすると簡単にアメリカ金持ちに騙されますよ。
お礼
なるほど!!スティグリッツ教授、私も大変興味深い先生だと思っています。最近はこういうご発言があったんですね!こういう世界的な経済学者が緊縮財政の弊害を訴え続けているのだから、各国の政策担当者は耳を傾けてほしいと思います。クルーグマン教授にしてもしかり…ですよね。ありがとうございました!