日銀の役割は、
1.政策金利を決定する
2.銀行の準備金の利率を決定する
3.市中銀行の保有する債権を売買することで資金の流動性を高くしたり低くしたりする
4.政府の決定に従い、外貨を買い取る
6.政府の決定に従い、政府から国債を直接買い受ける
この6つだと思います。(少なくともいま私の頭に思い浮かぶのは)
このうち、政策金利とは銀行が日銀からお金を借りる時にかかる利息のこと。銀行はこの利息に更に利息を上乗せして国民からお金を借りたり貸したりします。
準備金とは、銀行が銀行という業務を行うとき、「資本金のうち何%を日銀にあずけなければならない」というルールがあるのですが、そのあずけるお金のことを「準備金」と言います。
「流動性」とは、その資本が、どれくらい使いやすいか、というその使いやすさの指標です。一番流動性の高い資本は文句なしで「通貨」。日本国内で言えば日本国銀行券のことでです。例えば、国際でも、「短期国債」「3年もの国債」「5年もの国債」「10年物国債」とありますが、どれも今すぐ買い物をするときには使えません。一旦売りさばいて、通貨に変えてからでないと使用できませんね。
ですから、「日本国銀行券」に比べると「流動性が低い」ということになります。同じ国際でも、短期国債は1年で、3年もの国債は3年でそれぞれ通貨に変わる訳ですから、その年数が長くなればなるほど「流動性」は低くなり、短くなればなるほど「流動性」は高くなります。
4番にかんして言えば、元々日本国政府は「外貨準備高」と言って、資本を「円」という単位以外で保有している資本があるのですが、もし、仮に「円安」が行き過ぎて、例えばガソリンが余りにも高くなりすぎるだとか、製品の原材料が余りにも高くなりすぎるだとか言うことがあった場合は、こういった外貨建ての資本を売って円を外貨に対して上げることも考えられるのですが、現在のように円高が過剰になっている場合。
こういった場合には、円で外貨を買う、という行為が必要となるのですが、これは日銀単独の意志ではできません。政府が「外貨を買います」という指示をしないと日銀はこの政策を実行できません。
5番に関して言えば、こちらは日本国政府の「国会」の承認がなければ実行できない政策なのですが、もし仮に、日本の銀行も、外国の銀行も、投資家も、誰もが日本の国債を買わなくなったとき(もしくはマネーゲームに利用されそうになったとき)、日銀が政府から国債を直接買い受けることで日本国債の価値が急速に下落することを防ぐことができます。
このような行為を行う中で、日銀も無尽蔵に紙幣を有しているわけではありませんから、ひょっとするとお金が足りなくなるかもしれません。その時に、日銀が造幣機関に対して日本国紙幣の発行を命ずることで、資金が枯渇することを防ぐことができます。
いわゆる「金融政策」とは、日銀が単独で行えることを意味すると思いますので、日銀の金融政策とは、上記のうち、1番~3番が一般的には言われるのではないでしょうか。
政策金利を下げたり、準備金の割合を下げたり、買いオペをして流動性を高めたりすることを「金融緩和」、逆の行為を「金融の引き締め」と言います。
景気が悪いときには金融を緩和して、市場に流通する日本国銀行券の量を増やし(量的緩和)、逆に景気が過剰に良すぎるときは引き締めを行って流通する日銀券の量を減らします。
メリットでいうと、「日銀の独立」と言いまして、日銀が政府の意思決定に寄らず、単独で意思決定をすることができるため、たとえば今回の震災のように、より迅速な意思決定をおおなう必要性に駆られたとき、よりスムーズな資金共有が行えること。また、今回のように外国の景気の問題で日本国経済が大変な状況に置かれたときに、政府がもたもたしていても、政府とは独立して、日銀独自の金融政策が行えること。
逆のケース、日銀が政府の意思決定から独立しているため政府政策に必要な意思決定を政府が強制できない事をデメリットとして上げる人もいますが、私はそれは違うと思っています。問題なのは、政府と日銀の間にお互いが連携して意思決定を行えるほどの信頼関係がきずけていないことにあるのであり、これを日銀のせいにするのはお門違いだと思います。
もしデメリットしてあげるのなら、日銀の金融政策は日銀政策単独では効果が現れにくく、仮に日銀が何か具体的な意思決定を行なったとしても、日本国政府がその意図に気付けず、連携して政策を事項しなかった場合には、日銀の政策が全く意味を持たなくなってしまうことでしょうか。
また、関連しますが、「流動性の罠」と言って、今みたいに日銀が政策金利を低くしすぎてしまうと、そのほかの日銀政策から効果が非常に生まれにくい状況が出来上がってしまいます。
つまり、日銀政策には政府政策と違って、限界点がある、ということが一番のデメリットだと思います。