19 世紀の Ireland ではジャガイモを主食としていたことから 1845~49年の 4 年間に渡って Europe 全域でジャガイモの疫病が大発生した際には人口の 20% 援護が餓死または病死するという大被害を受け、人口の 10% 前後が国外に移民するという事態になりました・・・Great Famine (大飢饉) と呼ばれています。
主食というものは「それだけを食べていでば生きて行ける」というものではなく、Vitamin や繊維質などの不足を補うためにも服飾品が不可欠なものです。
米は優秀な主食品ですが、江戸時代には精米した白米にタクアン (大根) だけでオシマイ(汗) という食生活が大半であったことから胚芽に含まれる Vitamin B の不足によって「江戸患い」と呼ばれる脚気が流行し、徳川家定や徳川家茂のように贅沢な食生活を送れる筈の将軍までもが脚気を患ったほどです・・・近郊の貧乏な農民たちは大切な現金収入源である米は殆んど食べずに麦や豊富な野菜類を食べていたので脚気は江戸特有の風土病みたいなものでした。
夏目漱石と並んで明治・大正期の代表的文筆家の一人である森鴎外は細菌学を専門とする陸軍の軍医だったのですが、海軍が脚気の被害を軽減するために欧米型の食事を導入したことを受けて陸軍でも麦飯を導入しようとした動きに徹底的に反対する立場を採ったことが知られています・・・その結果、海軍では脚気による死亡者が殆んど出なかったのに対して陸軍では数千 (日清戦争) 数万 (日露戦争) の兵士が脚気を患って戦死や病死の因となったとされています。・・・Vitamin B1 の発見は鈴木梅太郎が 1920 年に米糠から Oryzani を分離するまで待たねばなりませんから、当時の医学では脚気の原因が Vitamin 不足なのか細菌によるものなのか判らなかったのですが・・・。
世界の主食品は麦 (小麦)、米、トウモロコシが主ですが、芋類を主食としている地域もあります。
前述の Ireland は今でもジャガイモが主食と言っても良いでしょうし、南米諸国も多くがトウモロコシとジャガイモを主食品としていて小麦や米は主食品ではないと言えるでしょう。