会社側のメリットは皆さんが言われるとおりです。労災保険は必ず加入、雇用保険は週30時間以上あれば加入しなければなりませんが、労働コストは抑えられるでしょう。
今の時代、正社員でも終身雇用・年功序列賃金が保証されなくなっています。パートといえども生活を支える収入者ですから、雇用される立場からすると、
・この会社で働き続けられるかいつも不安、雇用保険加入もなければ失業後の生活も不安。
・雇用が安定せず、契約更新時に賃金も上がらないので長期ローンが組めない。
・社会保険加入がないと、自分で国民健康保険・国民年金に掛けなければならないので、実質賃金が目減りする。(被扶養者は被扶養者で、扶養から外れないよう所得額の調整のため、必要な時に休まれるということもありますが)
・同じように働くのに、賃金単価や退職金などで正社員と差別されて不満を持つ。
といったデメリットしか思い浮かびません。
安心して仕事に打ち込めない、自分の仕事に誇りを持てない、一所懸命働こうという気持ちが弱くなるといったことから、会社にとっては、志気が下がって生産効率やサービスが低下するといったことが起こるのではと思います。社員も人間ですから、それなりと扱いをすればそれなりのことしか返してくれないものです。また、できる人は条件のよいところへ行ってしまうので、優秀な人材を確保することも難しくなるでしょう。雇い止めが解雇にならないよう、1~2年で入れ替えたりすると、技術や技能、ノウハウの伝承も困難になります。さらに、雇用不安と所得低下は、消費者の財布の紐を堅くし、モノが売れなくなり、経済活動が縮小してデフレが進むという社会的な現象にも繋がります。このような日本経済の停滞は、会社の経営にも影響してくるでしょう。
総務部門以外は国家資格の有資格者まですべて6ヶ月更新の契約社員という会社を知っていますが、出入りが激しくいつも社員募集をしているため、人事担当者は採用活動と面接に忙殺されていました。長期的な人材育成どころではありません。
パートであっても雇用期間の定めをしないで採用している会社は、パートを戦力として期待し尊重しているのだろうと思います。
個人的には、目先の企業利益だけを優先して、社員を人として尊重しない会社、社員を使い捨てする会社を私は信頼できません。