売れた理由:
1.口語でわかりやすい
2.内容の普遍性
3.ご本人のキャラクター
かな、と思います。
「サラダ記念日」を読むと表現も内容も、ものすごく素直ですよね。多分この素直さは同時代の歌人の盲点だったのではないでしょうか。口語表現を特別なものとして使うのではなく、ごく普通に使うということは。
わたしも現代短歌は俵万智が最初の人だったので、残念ながら当時のリアルな短歌界の状況は知らずに回答をしていますが、やはり作歌の方向としては、普遍性より個人性……「いかに他人との差異を際立たせて”自分”を表すか」の方に行っていたと思います。おそらく今もそうだと思います。素直さとは反対のベクトルで勝負をしていた(している)わけですね。
しかし俵万智の歌は、まるで少女小説のように素直で、(表現と内容に)普遍性があります。早い話、誰もがすんなりと「ああ、この恋の歌は私のことだ」と思えるような歌であったということです。
そこがベストセラーになった最大の理由ではないかと。
3については……そのまんまで(^_^;)。
仕掛け人とまでは言いませんが、「佐佐木幸綱」の存在は重要だと思います。
彼女は大学で佐佐木幸綱に出会い、作歌を始めた。佐佐木幸綱は現代歌人の中でも中心人物。そのサークルに入り、どんどん短歌を作り出す。そこで認められたからこその俵万智であり「サラダ記念日」であると思っています。
ちょっと書くのをためらう部分はあるのですが、俵万智を育てることで、佐佐木幸綱の方にもメリットがあったように思えてなりません。
短歌の敷衍といいますか……まあメリットっていうか、短歌人(の中心)としては当然の行動ですけれどね。
ある意味で広告塔のような役割を果たしたのではないかと思います、俵万智という存在は現代短歌において。
以上、私見でした。