学部によってかなり事情は異なりますが,私の知っている範囲でお答えします。
理系の学部(医学部や歯学部を除く)については,大学院まで行かないと自分の専攻を十分勉強したとはみなされない風潮があるようで,大学院まで進学する人は珍しくありません。大学院まで行った方が専門性の高い職場には就職しやすいでしょうが,企業が主な就職先であることには変わりないようです。具体的な学習内容はについては,私は文系(法学部)出身なので,他の人の回答を参考にして下さい。
一方,文系の学部については,そもそも世の中の役に立つ学問をあまりやっていないので,研究者になるのでなければ専攻を極めてもあまり意味がなく,理系より大学院の需要は低いように思われます。基本的に大学院は,研究者志望の人が行くところというイメージが強いです。
文部科学省も文系の大学院にはてこ入れをする必要を感じたのか,近年「専門職大学院」なるものを新たに創設しました。すなわち,弁護士その他の法律家を養成するための法科大学院,公認会計士を養成するための会計大学院,公務員等を養成するための公共政策大学院です。
会計大学院と公共政策大学院については,修了者にさしたる特権が与えられているわけでもないので,今のところ毒にも薬にもならない感じです(ただし,会計大学院修了者で公認会計士試験に合格できる人はほとんどいないと言われています)。法科大学院については,原則として司法試験を受験するには法科大学院の修了が必要ということにされましたが,やっていることは学部の延長に過ぎない,実務には何の役にも立たない,税金の無駄遣いだなどと非難の大合唱に遭っており,志望者も激減していることから存続の危機に立たされています。
お礼
とても詳しい回答をありがとうございます。 大学院での勉強は、社会に出て役に立つというものでもなさそうに思えてしまいますね。 でも、法科大学院は、そこを出ないと司法試験が受けられないのに、志望者が減ってしまうと法律家も減ってしまうので困りますね。 院の説明では、よく、「専攻を極める」と聞くのですが、「極める」のイメージがつかめません。 講義のスタイルや単位の取り方など、大学とはがらっと変わるものなのでしょうか? それとも、そういう点も「大学の延長」なんでしょうか。