あの独裁者「金正日」の支配する北朝鮮と、今も『戦争状態』(現在は、国際法上、停戦継続中)にあるからでしょうね。
韓国は、日本の三分の一強の人口しかないのに、二.五倍の兵力を持っていて、男子は全員兵役義務があり、基本的に二年間、軍隊生活を送ります。国家予算に対する軍事費の比率も高く、国家財政はいつも火の車です。
従って、国内需要を頼りに経済拡大したり、国内の資本蓄積によって企業運営が成り立つといった状況にはなりません。
従って、
1、心理的余裕のなさは・・・
首都ソウルから、北朝鮮との停戦ラインまで戦車で一時間の距離。
短距離ミサイルでも簡単に首都に届き、日本に対する北朝鮮のリスクよりも、100倍以上は強いリスクで、現実の脅威になっています。
男子は、ほぼ全員、長期の軍隊生活経験者で、軍隊生活が身にしみついていますから、無意識に「兵」としてのナショナリズム的行動が表に現れる傾向にあります。(=当然、型にはまった画一的行動になる。)
2、現実的余裕のなさは・・・
企業は、外国への輸出頼みで経営をするしかなく、軍事費でスクラップになるものにお金を使っているので、国内の資本蓄積が進まず、外国資本で経済運営をせざるを得ない。当然ながら、儲けても金利や配当が外国に出ていきます。
このような経済的余裕のなさは、北朝鮮がなくならない限り、解消されません。
対する日本は、国家財政大赤字でも、日本国民は増税反対。余裕ありすぎとは言え、ギリギリの状態までは言えないでしょう。
冷戦の崩壊以後に育った今の日本人の若者は、外国からの経済的圧迫・軍事的脅威の体験が、団塊の世代以上の年齢層に比べて少ないので、余裕という形で出ている面があるでしょう。
<参考>
今から30年前、私が海外で建築工事をしていた頃、日本の建設会社は、数人の日本人とお金を日本から持って行って、多数の外国人を雇って工事をしていました。
それに対して、近くの韓国の建設現場(現代建設)では、工兵隊予備役中佐のプロジェクトマネージャー以下、多くの予備役の人間を連れてきて韓国人だけで運営しており、まるで「軍隊」でした。
技術者は、工兵隊の予備役士官、重機のオペレーターは元戦車兵、働いている一般労働者も除隊した兵士で予備役の者が多数おり、コックまで軍の元調理兵といった状態でした。
その当時と比べて、韓国社会にも以前よりは余裕が出てきていると思いますが(北朝鮮の弱体化・冷戦の終結)、徴兵制度によって、成人男子が共有する『対北朝鮮臨戦態勢下の軍隊規範』は、韓国社会の大きな基礎的要素となっているでしょう。
お礼
詳細な分析をありがとうございます。