昔の缶ジュースは、プルタブも何もない缶ジュースはもちろん、そういうもがない缶詰と同じでした。
そういう缶ジュース専用に、穴あけの器具がありました。小さな穴を空ける器具です。それで、缶の蓋といったいいんでしょうか、今のプルタブがある面に穴を空けていました。
一つだけ穴を空けても缶ジュースは飲めません。ジュースが落ちてこないし、一生懸命吸っても駄目です。普通は、缶の二つ、それも缶の上面の正反対の方向に穴を空けていました。なぜ、一つ穴では駄目なのか。それは圧力です。一つ穴から吸い出そうとして、少しは吸い出せるでしょう。しかし、その体積の部分の空気が入ってこない以上、その体積の部分の圧力がマイナスとなるのです。吸い出そうとする力に抵抗する力です。これが吸い出そうとする力と拮抗して、吸い出せなくなるのです。だから、一つ穴では駄目だったんですね。
二つ穴なら、穴を空けた一方に口を付けて飲もうとすると、ちゃんと飲めました。もう一方の穴から空気が入ってくるからです。大気と同じ圧力の空気、それは吸い出す力を邪魔しません。もし、一つしか穴を空けず、そこから真空ポンプみたいな強い力で吸い出せば、缶からジュースは出てくるものの、缶はぺっちゃんこに潰れれていたでしょう。
そして、プルすると大きな穴が開くような缶ジュースが考えられ、発売されました。当時は、プルしたものを缶から外すタイプでした。これは今の外さずにするものと変わりません。
一つの穴しかありません。しかし、穴が大きくなったのです。先ほどの昔の缶ジュースで言えば、吸い出す口と空気を入れる口の両方の役目を果たすような、大きな口です。口を半ばに穴に押し付け吸い出そうとする、口が覆わなかった残りから空気が入ります。
ペットボトルも同じです。試してみて頂ければ分かりますが、ペットボトルの口にぴったり自分の口で覆って、吸い出そうとすると、ペットボトルがへしゃげ、ある程度以上は吸い出せなくなります。
ペットボトルの口は、吸い出しと、それに伴って吸い出し続ける飲料に変わって入ってくる空気取り入れ口の両方の役目を果たしています。だから、同じ口から、飲料は落ちてきて、それを助けるように空気が入ってくるのです。そうして、ペットボトルの中は圧力が下がらず、飲料を吐き出し続けます。そういうことに充分な大きさがあるのが、ペットボトルの口ということです。
お礼
なるほど・・・そんなことがあったんですね とても参考になりました^^ みなさんの回答がどれも素晴らしかったため、ベストアンサーを選ぶことはできませんでした。 申し訳ないです;; ご回答ありがとうございました。