ロマン=Romanが語源です。
「ローマ風の」とか「ローマ人」という意味です。
かつてローマは、キリスト教を国教として、
ヨーロッパでも強大な力を誇る文化大国でしたから、周辺諸国からは憧れの的でした。
そこで、ローマの物ってすごい!ステキ!
という考えが生まれ、「ローマ風」であることに人々は高い価値を見出していました。
ちなみにルーマニアという国がありますが、英語では、「Romania」と書きます。これは「ローマの系統を引くもの」という意味で、自らの権威を高める国名でもあります。
それではロマンの語源であるその「ローマ風」って一体どんなものかというと、まとめた言い方はしにくいのですが、「人間のドラマ」としておきます。
演劇や芸術、哲学に見られるように、恋愛の機微、闘う男、物語性、壮大な自然といったように、人間の感情を激しく美しく描く文化です(ここにはギリシャの影響が大いにあります)。
例えば、私たちが「ロマンチックな映画」と聞くと、ドラマチックで感傷的なイメージが沸くのは、そういった人間というものに付随する強い想い-この部分だけが「ロマン」という言葉として現在に残っているから、というわけです。
また、まだ見ぬ遠いローマを夢見ること自体が、「見果てぬ夢」とか「はてしない世界への憧れ」であったわけですから、その憧れの想いも「ロマン」という言葉には付加されているのかもしれませんね。