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グールドとシェーンベルク
グールドはなぜバッハからシェーンベルクへと跳んだのでしょうか?バッハとシェーンベルクの音楽的連続性はあるのでしょうか?お詳しい方にお聞きします。
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noname#157218
回答No.1
専門家ではないので、正確な説明ではないかもしれませんが。 グールドは、「ポリフォニー音楽」(「複数の旋律(声部)の交差」で成り立つ音楽)を愛していたようです。バッハの鍵盤楽器向けの曲、オルガン曲はほとんどがポリフォニー音楽の代表的な技法である「対位法」とか「フーガ」で作られています。 ところが、ヨーロッパの音楽は、バッハの息子たちの世代以後は、「旋律+和声の伴奏」というホモフォニー音楽が主流になり、ポリフォニーは時代遅れになります。(エマヌエル・バッハ、クリスティアン・バッハや、それ以降のハイドン、モーツァルト・・・) そして後期ロマン派(ワーグナー、マーラー、R.シュトラウス)までは、基本的には「調性」に基づくホモフォニー音楽でした。(古風な味わいや構成感を出すためにフーガを部分的に用いたりはしていますが) シェーンベルクは、「調性」から離脱する「無調」の音楽を作るにあたり、単なる「むちゃくちゃ」を避けるために「十二音技法」という規則を作りました。詳しいことはご自分で調べていただくとして、基本は「オクターブを構成する12の半音を全て1回ずつ使った音列」を主題として、「対位法」や「フーガ」の技法で発展させて曲を作る、という方法です。無調の曲では、もはや「和声で伴奏する」ということが成り立たなくなるので、「旋律を重ね合わせる」というポリフォニー音楽を採用するしかなかったのでしょう。 その意味で、シェーンベルクは十二音技法でバッハの時代の音楽様式を復活させた、という意味でバッハからの連続性があると思います。
お礼
ありがとうございます。正確ではないかもしれないとおっしゃいましたが、非常によくわかりました。 >基本は「オクターブを構成する12の半音を全て1回ずつ使った音列」を主題として、「対位法」や「フーガ」の技法で発展させて曲を作る、という方法です。 セリーという方法は本などを読み知っていたのですが、「対位法」と関係していたとは全く知りませんでした。「フーガ」はまだ勉強不足でこれから学ぼうと思います。音律というのも現代音楽では平均律オンリーの考え方がベースになっているのか、また時間があれば質問させていただこうと思っております。