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グールドのモーツァルト嫌い
グールドはモーツァルトを毛嫌いしていましたが、その割にモーツァルトのピアノ・ソナタ全集を残していますよね。 本当に嫌いなら(ロマン派の演奏をほとんど残さなかったように)黙殺するはずですが、なぜわざわざ全集を残しているのでしょうか? 単に「J.S.バッハとベートーヴェンだけではレパートリーが足りない」「ロマン派よりは古典派のほうがマシ」という理由かもしれませんが……。
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- gldfish
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回答No.1
本心はグールドにしかわからないでしょうが、「音楽家」「評論家」「芸術家」ではなく「一演奏家」としての理由では。 ・「こんなもんくらい、自分にはこれくらいは出来るよ」と一応見せたかった。 ・曲の価値はさておき、練習曲のようなスタンスとして。 ・単に、ピアノ曲としてド定番だったから。 ・商品として売れそうだから。(発売元からの強い依頼があった等。) ・有名曲を一応録音しておいた方が、後世に名が残りそうだったから。 ・・・現に、こういった理由でその作品を取り上げるというプロピアニストっていると思います。本人はあえて本心は言わないでしょうけど。 グールドは、録音という媒体(記録として残すこと)にとりわけこだわりを持っていた演奏家だったこと。そして、グールドの拠点がヨーロッパではなく北米だったことも、「商業主義への抵抗感の欠乏」と遠からずのような気はします。例えば、彼が演奏会完全ドロップアウトするまでは、アメリカの商業主義的な演奏会活動に割と積極的だったらしいです。
お礼
回答ありがとうございます。 > ・単に、ピアノ曲としてド定番だったから。 定番なら、ショパンやリストを弾いてもよいですよね。 ショパンやリストに対しても嫌いだといっていますが、モーツァルトほど毛嫌いはしていないので、定番曲を弾きたいなら、彼らロマン派を弾いてもよかった気がします。 グールドの奏法からいって、ロマン派は弾きたくても厳しかったというのもあるでしょうが。 > 発売元からの強い依頼があった等 これはありそうです。 > アメリカの商業主義的な演奏会活動に割と積極的だったらしいです。 でしょうね。 彼はラジオドキュメンタリー「北の理念」を作ったりと、結構ビジネス上手ですから。 ただ、私はグールドは商売熱心ではあっても、自分が心底嫌いな曲を弾く人間とは思えないのです。 グールドはベートーヴェンに対してアンビヴァレントな感情をもらしていますが、モーツァルトに対しても同じようなことを思っていたようにも見えます。