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私もWAIS-III検査の結果について、
31歳男性、うつ病の診断のもと休職しています。2010年の年末から2011年の年始にかけて状態 の悪化および乱費などの問題行動、希死念慮の増大により日常生活に支障が出た為に三ヶ月の入 院を経て現在退院し自宅で療養中です。入院時の主治医との最初の面談でWAIS-IIIの検査を組ま れました。結果を記します。 全検査IQ=117 言語性IQ=121 動作性IQ=108 《群指数》 言語理解136 知覚統合106 作動記憶100 処理速度97 《尺度》 単語17 類似16 知識15 理解13 算数11 数唱8 語音11 配列13 完成14 積木9 行列10 符号10 記号9 組合9 主治医の先生からは「生育歴、知能検査の結果から発達障害のスペクトラムにあると思われる。」と 説明されました。知能検査の結果は自分の苦手な事を言い当てているようで、やっぱり凹んだりした のですが…プラモが組み立てられない、数学が苦手で大学受験に失敗したというエピソードと検査 の結果は符合しているように感じます。 それで、私もどのような形で社会に復帰していけばよいのか悶々としています。言語能力で食ってい けと言われてもかなり難関だと思いますし…どんな形で社会参加して行けば良いのかアドバイスを 頂ければ幸いです。また、「こだわりの強さを感じて、発達障害を疑って知能検査を組んだ。」とも言 われました。主治医の先生には「個性だから大切にした方が良い。」とアドバイスされました。しか し、自分としては朗らかで大らかな性格に憧れます。というのも、こだわりの強い神経質な人間よりも 朗らかで大らかな性格の方がチームワークとかで上手くいくと思いますので。最後に、いつか飛行機 のライセンスを取って飛びたい!という夢があります。でも処理速度が平均以下だと乗り物の操作と かは向かないという事なのでしょうか?私は飛べない豚なのかと、切ない気持ちになります。
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- okbabywave
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私も成人で近年診断を受けたものです。 なんとも言えない気持ちも抱きますよね。。 発達障害者支援センターは紹介されましたか? センターか就労を支援してくれるような場で相談というのも一つの手だと思います。 夢については実際にチャレンジしてから考えられてはどうですか? でもわかるからこそ前向きに頑張って欲しいです! 私も悲観したりの毎日なんですがね(^^;
- vzb04330
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心理士です。 私自身も、うつ病の当事者ですので、おつらい状況、多少はわかるつもりでおります。 私自身も、最近はかなり状態がよくなって、服薬量もほぼゼロになってきていますが、まだ自宅にて療養をしています。 さて、WAIS-IIIの結果についてのコメントを求めていらっしゃいますので、以下、多少長くはなると思いますが、書かせていただきます。 参考にしていただければ幸いに存じます。 1.結果の見方 1)IQ(知能指数)と、群指数 これらの指標は、平均的な成績を取ったときに、100になるように作られています。 平均的なレベルの範囲は、90~109で、この範囲に50%の人が入るようになっています。 2)下位検査 「尺度」と書いていらっしゃいますが、これらは、下位検査と呼びます。 IQ、ある年齢グループ(質問者様の場合、30~34歳)の中で、平均的な成績を取った場合に、10となるように作られています。 また、平均レベルの範囲は、7~12であり、この範囲に50%の人が含まれるよう作られています。 *1)、2)の指標のいずれも、本来は測定誤差を考慮しなければなりませんが、ここでは、話が繁雑になるのを避けるために、割愛します。 2.IQについて 知能指数(Intelligence Quotient)の略が、IQです。 知能の水準を示します。 中でも、全検査IQは、それぞれの対象者の全体的な知能の高さを示す指標です。 質問者様の場合、全検査IQ=117ですので、「平均の上」という、平均よりもやや高い範疇に入ります。 また、言語性IQは、言語聴覚的な知能の高さを、また動作性IQは、知覚運動的な知能の高さを示します。 質問者様の場合、言語性IQが121と、「平均より高い」レベルに入ります。 動作性IQは、108で、平均の範疇に含まれています。 したがって、質問者様の場合、知的水準は、平均~平均より高いレベルにあり、全般的な知的能力は高いと考えて差し支えありません。 なお、近年、心理アセスメントの進歩により、WAIS-IIIの言語性と、動作性の区分は、理論的、実証的な根拠が必ずしもはっきりしないということで、あまり用いない方向に変わってきています。 それに変わって、次に述べます「群指数」は、理論的、実証的にもエビデンスが確かめられていますので、それらを中心にお考えになってください。 3.群指数 群指数のもとになっているのは、IQと同じく、下位検査ですが、IQの場合と比べ、それぞれの群指数のもとになっている下位検査の組合せ方が異なります。 質問者様の場合、もっとも高いのが、言語理解(言葉の意味の理解、言語的知識の豊かさ、言語的な思考や推論を行う能力、言語表現能力)であり、これは、136と「とくに高い」レベルにあります。 さらに、他の3つの群指数よりも、統計学的に見て、意味のある、はっきりとした差があります。 一方、それ以外の3つは、いずれも「平均」の範囲にあります。 知覚統合は、視覚的刺激の統合(まとめて理解する、関係性・関連性を理解する)、非言語的な思考、非言語的な推論、いくつかの刺激や情報の間の関連性の理解を意味します。 作動記憶は、聞き慣れない言葉ですが、英語では、working memoryといい、注意の及ぶ範囲、とくに聴覚的な刺激や情報の短期記憶(数10秒~数分程度)、聴覚的な系列化(順番にしたがって、情報処理をする能力、順序を整える能力)、聴覚的な刺激を理解する能力を測定しています。 最後に、処理速度は、反応の速さ、視覚的な短期記憶、視覚的情報の理解能力を測っています。 これらの3つの群指数については、数値は微妙に異なりますが、統計学的には、意味のある差は認められていません。 したがって、群指数から見た質問者様の能力としては、やはり言語理解が断然似優れていますので、仕事や日常生活においても、言語的な能力をうまく活かすことが重要だといえます。 ご注意いただきたいのは、質問者様ご自身の中での得手・不得手を見ますと、知覚統合、作動記憶、処理速度は、不得手な部分と見えてしまいますが、これら3つの群指数は、平均的なものですから、他の人との比較でいえば、これら3つの群指数も決して人と比べて劣っているのではないということです。 4.下位検査 下位検査については、多くの医師、心理士が、それぞれの得点から説明をしますが、エビデンスの確かさという観点からは、それに先だって、複数の下位検査に共通する得手・不得手のパターンから、何か特徴がないかを探した方がよいと考えられます。 これは、プロフィール分析といいますが、残念ながら、日本ではあまり普及した分析・評価の方法ではありません。 今回、私はお示しいただいた結果からこのプロフィール分析を実施させていただきました。 その結果からは、以下のようなことが考えられます。 1)強い能力 ・長い問題文の理解 ・言語概念形成、抽象的な言語概念の操作、言語的推理 ・習得した知識、長期記憶 ・長い言語反応 ・意味のある刺激の視覚的な理解 ・結晶性能力(学習や教育、文化の受容など過去の学習経験を通して確立された判断力や、習慣) ・常識、社会的知識 2)弱い能力 ・抽象的な視覚刺激の理解 ・試行錯誤学習能力 ・モデルの再構成(モデルやお手本の通りに、書いたり、ものを作ったりする) ・視覚-運動の協応(目でしっかり見て、手先の作業を行う能力) ・継次処理、系列化(情報を1つずつ順番に処理する能力) ・短期記憶 ・数を扱う能力 3)知的能力に影響する要因 ・不安(不安が高い) ・被転導性(注意のそれやすさ) ・注意の範囲(狭い) ・固執性(こだわりが強い) ・知的好奇心と努力(いずれも強い) ・学校での学習(学習の成果が出ている) プロフィール分析結果は、以上です。 5.解釈 質問の文章から致しますと、 ・数学で大学受験に失敗した……数を扱う能力が低い ・プラモが組み立てられない……モデルの再構成や知覚-運動協応が弱い ・こだわりの強さ……固執性が強い ・発達障害のスペクトラムにあると思われる……試行錯誤が苦手、短期記憶能力が低い、被転導性が高く、注意の範囲が狭い、固執性が強い といった辺りは、プロフィール分析にも現れているように思われます。 また、下位検査の評価点が、最高17点(単語)~最低9点(積木模様、記号探し、組合せ)と、大きくばらついているのも、発達障害の範疇の診断がつく方にはよくみられる特徴です。 したがいまして、質問者様のプロフィールを検査所見に基づいて描かせていただきますと、 知的能力は全般に平均から平均より高いレベルにあるものの、細かくみると、認知的なアンバランスも認められます。 とくに言語能力は高いといえます。 一方、視覚的な認知、理解能力、抽象的な刺激の理解力、数を扱う能力などは言語能力の高さに比べて、劣っています(ただし、一般的な基準から見ればこれらも平均的な能力をお持ちです)。 ただし、上にも書きましたが、質問者様の場合、ご自身の中で、個人内差異としてみれば、相対的に不得手な部分も、一般的な基準から見れば、十分平均的なレベルの能力をお持ちですから、その点について、劣等感をお持ちになる必要はまったくありません。 なお、発達障害云々につきましては、知能検査の所見からだけでは判断はできません。 知能検査結果は、あくまでも診断の補助資料という位置づけになります。 しかし、検査所見、とくにプロフィール分析の結果には、注意や衝動性に問題があると思わせる所見はありました。 もちろん、心理士は、医学的診断を下すことはできませんので、その点については、主治医のご意見を尊重してください。 6.今後の方針 苦手な部分を訓練や学習、努力、気合いによってナントカしようという「短所改善」を考えた対処は、あまりうまくいかないと思います。 なぜならば、それらは効果が上がりにくいものですし、取り組む意欲もなかなか出て来ません。 困難だとはおっしゃいますが、やはり質問者様の場合は、得意である言語能力を活かすことを第一に考えていただくことがよろしいでしょう。 注意の問題やこだわりについては、それらを補い、あるいは極力避けるような手立てを工夫してみてください。 不注意については、たとえば、デスク周りに余分なものを置いて、気が散らないようにするとか、部屋の中のものの収納についても、必要なもの以外は、見えないところにおく、カバーなどで覆うなどして、余分な刺激、情報を少なくすることが有効でしょう。 こだわりなども、タイマーを利用するなどして、○分やってもうまくいかなければ、とりあえず次に進むとか、実際に取り組む前に、どういうやり方があるか、いくつか候補を挙げて、さらにそれに順番を決めておいて取り組んでいくというような対処が可能と思います。 最近、発達障害関係について、一般向けの本がたくさん発売されています。 それらには、日常生活において、スムーズに、楽に暮らせるような工夫が載っていると思いますので、一度そうした本をご覧になってはいかがでしょう。 また、各都道府県が、「発達障害者支援センター」を設けています。 ここでは、職業選択、就職の他、日常生活上の配慮点などについても相談を受けてもらえると思いますので、一度、相談されてはいかがでしょう。 長くなりましたが、以上、今回のWAIS-IIIの結果から考えられること、及び若干の助言を申し上げました。 参考にしていただければ幸いです。