関税が高いのは米・小麦・乳製品・糖・牛豚肉だけ
週プレニュースでこんな記事を見ました。
題して「過保護は大ウソだった 日本の農業が衰退した本当の理由」というものです。
リンク:http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130819-00000279-playboyz-bus_all
この記事の中で、東京大学大学院農学生命科学研究科の鈴木宣弘教授は曰く、
・関税が高いのはコメ、小麦、乳製品、砂糖、牛、豚肉だけでそれ以外は極めて低い
→この資料( http://www.maff.go.jp/j/kokusai/taigai/wto/pdf/ref_data.pdf )では「関税率20%以下の品目が全品目の71.5%(953)(うち無税品目は23.9%(319))である一方、関税率100%超の高関税品目が9.4%(125)、関税率200%超が7.6%(101)を占める。」となっています。主な高関税品目として、大麦256%、脱脂粉乳218%、バター370%、タピオカ澱粉583%、小豆403%となっています。他にも落花生500%とかこんにゃく芋990%とかは有名ですよね。
質問1 鈴木宣弘教授の言っていることは本当なのでしょうか?
また、鈴木教授は「アメリカやカナダ、EU諸国などでは政府買い上げ制度があるが日本にはない」と言っていますが、日本の政府米は買い上げ制度ではないのでしょうか??甘藷、馬鈴薯、大豆、甜菜、サトウキビも基準価格が設定されてきましたよね?(現在は品目横断的政策で特定品目に限らなくなったとのことですが)
質問2 鈴木宣弘教授の言っていることは本当なのでしょうか?
ちなみに、私は農業政策には全く素人で、政策の是非についても関心がありません。所得補償すべきとかすべきでないではなく、
1 「関税が高いのはコメ、小麦、乳製品、砂糖、牛、豚肉だけ」というのは本当か?
2 日本には政府買い上げ制度がないというのは本当か?
この2点でご回答をお願い致します。
記事中の鈴木教授の発言:
「まずハッキリさせておきたいのは、日本の農産物市場はまったく閉鎖的でないということです。それどころか一般的に“聖域”と呼ばれるコメ、小麦、乳製品、砂糖、牛・豚肉の5品目を除けば、日本の農産物の関税は野菜類が3%、生花が0%といったように、先進国の中でも極めて低い。どんどん関税を下げていった結果、日本の農業が衰退していったと考えるほうが正しいのです」
「TPPの議論でよく耳にするのが、TPPという『外圧』によって日本の農業を変えていくしかないという指摘です。農業を“過保護”にしてきたことで合理化が進まず、国際的な競争力がなくなった、という理由ですが、これも現実は正反対です」
「例えばアメリカやカナダ、EU諸国などでは、農産物や乳製品の価格が下落すると、政府がそれを買い上げて価格を維持する制度があります。日本にはこうした制度はありません。加えて、これらの国々が力を入れているのが補助金を使った農家への所得補償です。ヨーロッパでは農業所得全体の95%が補助金で支えられており、アメリカはコメ、トウモロコシ、小麦の農家だけで多い年は約1兆円も補償しています。これに対して日本の補償は農業所得の2割を切る程度です」