私が現役受験生だった頃、簿記講師からは「本番1週間前に突入したら、効率的な学習が勝負。新しいことには手を出すな!」とアドバイスを受けました。
「ここまで来たら、あとは勢いに乗るだけ。自分が受からなくて他に誰が受かる?と自分に暗示をかけるぐらいに、同じ設問を繰り返し繰り返し攻略し、自信をつけろ」
「受験生の弱点は意外に共通している。あなたが難しいと感じる分野は、皆、大抵、同じように難しいと感じている箇所。つまり、本番で思い切って捨てても大差はつかない。そういう分野に割く時間は、これまで身につけた分野を徹底して復習する時間に充てろ」
無事合格できましたが、講師の意見は正しかったと、当時を振り返って思います。
簿記は、設題の根源となる理論の理解に努めることが重要とされますが、2級までですと、狙われる論点は毎回ほぼ共通しているため、合格には「出題パターンの暗唱」も大切といえます。
質問者様の場合、過去問12回分にわたり、85点以上得点できるようになっているとのこと、問題を解くコツは身についている状態だと思います。
日商簿記は「過去問により独特のクセを掴むことが合格への近道(私もそうでした)」と評されます。そのまま突き進んで大丈夫と信じています。
ちなみに工業簿記は「原価計算基準」という会計基準を基盤に設問が考案されます。
この法基準は1962年の公表以降、一度たりとも改正されていません。
そのため、工業簿記での出題は商業簿記と違い、目新しい例が登場するパターンは皆無に近いです。
2級で扱われる工業簿記は初級分野ですので、あまり意地悪な捻り手は加えられません。
(過去に1級より低い合格率を生んだ2級出題者が、「受験生いじめ」と全国の学校からブーイングを受け、商工会議所からも指摘を受けた事件以来、内容が骨抜きになったという噂も。)
試験本番の場では「練習の時のパターンを思い出す」作業が求められますので、本番前日の今からは、ご自身の「完成された記憶」に1回でも多く触れておきましょう。
つまり、自信が持てる分野にのみ特化して、問題を解く・あるいは解説を読むようにし、学習時間を効率的に費やすのです。
試験直前期でチャレンジした問題がうまく解けなかった場合、それまでに積み上げてきた自信が崩れることもあり、そうした動揺が本番のコンディションに微妙に影響する懸念もあるので、苦手な分野や目新しい問題には手を伸ばさない方が賢明と私は考えます。
本番前日の夜は早めに就寝して下さいね。当日の午前中を最後の追い込みに充てるようにして下さい。
どうか、努力が報われますように。
お礼
わたしは簿記の学習をはじめてからまだ日が浅く しかも過去問をやっていても、工業簿記は商業簿記ほどかたよりがないように思い、自分の理解していないところが出題されるのでは‥と不安になっていました。 でも仰るとおり、12回分も勉強すれば、完璧ではなくてもおおよその基礎は理解できているはずですね。 あとは予想外の問題がきても自信をもって解きすすめられるよう、きちんと今までの復習に時間をあてようと思います。 講師の先生のお言葉は、わたしも参考にさせていただきます。 アドバイスありがとうございました。 あしたがんばってきます!