血圧を規定する因子は、心拍出量と末梢の血管抵抗です。そのどちらか一方、もしくは両方が上がれば、血圧は上がります。ただし、いわゆる本態性高血圧症では、心拍出量はあまり変わらず、主として末梢血管抵抗の上昇がその主たる原因です。血圧に関係する因子には、血管の弾性、心拍出量、循環血液量、血液の粘性、血管の反応性、昇圧物質、神経系の支配など多くの要素がありますが、基本的にはこのどちらかを介して、血圧に関係していると言えます。
一般的に言って、心拍出量が増加する時は、収縮期、拡張期どちらも上昇しますが、拡張期血圧に比して、収縮期血圧の上昇が大きく、末梢抵抗が上がってくる場合は、収縮期血圧に比して、拡張期血圧の上がりが大きいと言えます。したがって、甲状腺機能亢進症などの心拍出量が増大する疾患では、収縮期高血圧となり、動脈硬化による血管弾性の低下では、主として拡張期高血圧になります。ただ、高血圧はそれほど単純ではありませんので、特に収縮期、拡張期とも高く、より収縮期の上がりが大きい場合には、動脈硬化による血管壁の弾性低下だけではなく、他の要因の関与も考えられます。
お礼
すかっと納得できました。有難うございます。