太い血管は枝分かれして細い血管になり、それがまた枝分かれしてもっと細い血管になり、さらに枝分かれしてもっともっと細い血管になり・・・。
というように、血管は枝分かれして細くなってゆき、最後は毛細血管になります。
この血管の一部が詰まると、そこから先の部分には血液が行かなくなってしまいます。しかし、血管はある程度細くなると、枝分かれした血管が隣の血管とくっつくようになります。枝分かれしてはくっつき枝分かれしてはくっつきを繰り返し、ミカンの入っている網のような構造を作りながらさらに細くなってゆき、最後は毛細血管になります。
このような網目状の血管の一部が詰まっても、他の血管から血液が供給されるので、血液が行かなくなる、ということは起きません。ところが人体には、枝分かれしてはくっつくという網目構造を作らずに、先に書いたように枝分かれだけをして血管が細くなってゆくような部分があります。それは脳と心臓です。脳と心臓では枝分かれした血管は毛細血管になって静脈になるまではくっつかないので、血管の一部が詰まってしまうとその先へ血液が供給されず、細胞が死んでしまう、ということが起きます。これが「梗塞」とよばれる病気です。脳の血管が詰まったのが脳梗塞で、心臓の筋肉の血管が詰まったのが心筋梗塞です。それ以外の臓器では血管は分かれてくっついてを繰り返すので、1か所が詰まってもその先の細胞が死ぬことはありません。ですから、肝梗塞とか、胃梗塞とかいうのは聞いたことがありませんよね。こういう臓器では梗塞は起きないからなのです。
血液は血管の中を巡っていて、血管から外へ出ることはありません。しかし、時に血液が血管の外へ出ることがあります。それはケガなどで血管の壁が破れたときです。血管の壁が破れると血液は血管の外へ出てしまいます。これが出血です。血小板は出血して血管の外へ出ると血液が固まる「凝固機転」のスイッチが入り、血液が固まるのです。
お礼
細い血管は網目状になっており、例外として、脳と心臓だけは毛細管から静脈に行くと言うこと、初めて知りました。 ありがとうございました。