マスコミ報道はデタラメです。自粛ムードなんかではない。阪神大震災の時、夏に向けて日経平均株価は真一文字に急降下しました。しかし1995年の最安値でも1万4000円は割りませんでしたし、夏には急反転してV字回復しているのです。基本的には好景気の頃だったということなのです。株価の動きは阪神大震災の影響だけではなく地下鉄サリン事件を代表とするオウム真理教事件の影響も大きかったのです。好景気で浮かれていた投資家心理を自然災害リスク、テロリスクが一時的に冷やした年が1995年であったともいえると思います。クリントン政権の円安ドル高政策の影響もありました。
それに対して今回の東日本大震災は出口の見えない不況の真っ只中で起きたのであり、元々冷え込んでいる消費者心理をさらに冷え込ませたといえるものです。元々観光産業、外食産業は景気変動の影響を受けやすいバブリーな産業なのです。消費者が財布の紐を締めるとするなら、真っ先に切られる分野なのです。
他にもいろんな要因がある。ガソリン価格もひとつ。1995年は100円前後なのに対し今回は150円前後といった具合です。政府不信、余震リスク、放射能不安、電力不安、様々な要因が重なっているのです。
自粛ムードなんて嘘です。被災者に気を遣っているでもなく、エネルギー大量消費を反省しているのでもありません。どちらかというと政治家や評論家や新聞記者が頭を使うことを自粛しているのです。脳みそを使おうとしない。
だから彼らには、消費者心理が理解できない。理解できないから自粛ムードという安直な連想で理解したつもりになっている。
もう一つ指摘しておきたいことがある。それは人々の情報処理能力、情報分析能力の低下です。この15年間でインターネット・携帯電話の普及・発展が進みました。1995年には「教えて!goo」など存在しない。にもかかわらず人々の情報処理能力、情報分析能力は決定的に低下している。
情報化社会が進んだにもかかわらず、欲しい時に欲しい情報が手に入らない。入っても何だか理解できない。
「xxさんの安否が心配だが、誰か知らないでしょうか」
「開いているガソリンスタンドを誰か知らないでしょうか」
「○○線はいつ復旧するのでしょうか」
「うちは計画停電の対象なのでしょうか」
「飲むヨーグルトはいつ入荷するのでしょうか」
3月はこのような質問が、それこそ津波のように押し寄せました。何度回答しても10秒後には同じ質問が繰り返される無間地獄が続いた。いくら回答してもきりがありません。それは東電でも同じだったでしょう。本当に同じ質問、誰にも答えられるわけもない質問が数秒おきに繰り返されるのです。
脳みその液状化現象としか思えない。一億総痴呆状態です。今はなんぼか気分が落ち着いたとはいえ、一億総痴呆状態には何もかわりがありません。ああ、自分は痴呆だったのか。それを気づかされたのが東日本大震災だったのです。それが消費者心理を冷え込ませている。菅政権はいろんなキャンペーンを繰り広げているようだが、総理大臣が痴呆の象徴としか私には思えません。暗澹たる思いです。
お礼
ご丁寧な回答に感謝します!目からウロコが落ちました☆参考にします。かなり精緻な情報を頂き阪神大震災直後のことがわかりました☆